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安心して応募できる・受け入れられる採用のために
転職や再就職、副業など、働き方の選択肢が広がる一方で、「求人票の条件と実際が違った」「応募の段階で不快な質問をされた」といった声も少なくありません。 採用の場面は、応募する側にとっても会社側にとっても、これから一緒に働けるかどうかを確かめ合う大切な入り口です。 だからこそ、条件や情報をできるだけ正確に伝え、お互いが納得して選べる状態を整えておくことが重要になります。 求人情報については、賃金や仕事内容、勤務地、勤務時間など、基本的な条件を事実に即して明示することが前提です。 募集を続けている間に、配置や働き方の方針が変わることもありますが、その場合は条件を更新するか、一度情報の提供を止めるなど、「いつ時点の情報なのか」「今も有効な条件なのか」が分かる形にしておくことが求められます。 入社後に「聞いていた内容と違う」と感じると、その後の信頼関係にも影響しますので、採用の段階でできるだけ齟齬を減らしておくことが、結果としてトラブルの防止につながります。 募集・採用の場面では、性別や国籍、障害の有無などを理由とした不当な扱いが禁止されています。...
Takashi Fukunaga
2 時間前読了時間: 2分


「人に任せる」ことも大事な安全衛生―注意喚起だけに頼らない職場づくりの視点―
4月からの法改正では、フリーランスや高年齢者、治療と仕事の両立支援など、さまざまなテーマで「安全と健康をどう守るか」が問われるようになってきました。 こうした動きの背景には、働く人の多様化だけでなく、「本人の自己管理や注意力だけに頼るやり方では限界がある」という認識があります。 毎日のように「安全第一」「体調管理を」と声をかけていても、慣れや忙しさの中でヒヤリとする場面が生まれてしまうことは、どの職場にもあるのではないでしょうか。 安全衛生の基本は、個人の注意や根性ではなく、「仕組み」と「分かち合い」です。 たとえば、転倒や腰痛を防ぐには、「気をつけて歩きましょう」ではなく、足元が滑りやすい場所を減らす、重い物を一人で持たなくてよい段取りに変える、無理な姿勢になりやすい作業は高さや向きを調整する、といった工夫が有効です。 暑さ対策でも、「水分をこまめに」と周知するだけでなく、休憩時間の取り方や、誰がどの時間帯にどの作業をするかを、熱中症リスクを見ながら決めていくことが求められます。 また、「人に任せる」「人に頼る」ことを、遠慮せずにできる雰囲気づ
Takashi Fukunaga
1 日前読了時間: 2分


子ども・子育て支援金と「年間収入130万円」の見直し―5月時点で給与・扶養実務をどう整理しておくか―
2026年4月から、「子ども・子育て支援金制度」と「健康保険の被扶養者認定における年間収入の取扱い変更」が同時に動き始めました。 いずれも給与計算・社会保険手続と密接に関わるテーマであり、4月は制度案内とシステム設定に追われたご担当者も多いかと思いますが、5月時点では一度立ち止まり、自社の運用が整理できているかを確認しておくことが重要です。 子ども・子育て支援金制度については、すべての医療保険の加入者から、新たに「支援金」が徴収される仕組みとしてスタートしました。 企業の被用者保険に加入している従業員については、標準報酬月額(賞与時は標準賞与額)に支援金率0.23%(2026年度)を乗じて支援金額を計算し、その半分を従業員負担分として健康保険料・介護保険料と合わせて控除する形となります。 4月分給与から控除が始まっていますので、5月支給分までの段階で、「支援金の控除項目名」「健康保険料との区分表示」「控除額の端数処理ルール」などが社内でブレていないかを確認しておくことが実務上のポイントになります。 一方、健康保険の被扶養者認定については、2026
Takashi Fukunaga
4 日前読了時間: 3分


2026年度の「高年齢者」と「治療と仕事の両立支援」―4月施行分をどう実務に落とし込むか―
2026年4月は、人事・労務の実務に直結する法改正が一斉に施行されました。 その中でも、「高年齢で働き続ける従業員」と「治療と仕事を両立しながら働く従業員」に関する改正は、今後数年を見据えた人員構成や人件費、配置運用に影響しうるテーマです。 2025年4月に高年齢者雇用安定法や高年齢雇用継続給付の見直しが既に行われていることを踏まえると、2026年4月の改正は、「就業継続」が当たり前になっていく時代において、安全衛生と健康確保を中心に職場側の対応を求める第二段階とも位置付けられます。 まず、高年齢労働者に関する改正として、「在職老齢年金の支給停止基準額の引上げ」と「高年齢者の労働災害防止の推進」が同時にスタートしています。 在職老齢年金については、老齢厚生年金の支給停止となる収入基準である「支給停止調整額」が、2025年度の51万円から2026年4月以降は65万円へと大きく引き上げられました。 これにより、賃金と年金を合算した月額が65万円を超えない限り、老齢厚生年金が支給停止されないため、60歳代以降も比較的高い水準で働き続けることへの心理的ハ
Takashi Fukunaga
5 日前読了時間: 5分


「障害者雇用」と2026年7月の法定雇用率引上げ―従業員37.5人以上企業がいま確認しておきたい基礎整理―
2026年7月1日から、民間企業の障害者法定雇用率が「2.5% → 2.7%」へ引き上げられます。 これに伴い、障害者雇用の義務対象となる企業の範囲も「常用雇用40.0人以上」から「37.5人以上」に拡大されます。 人事・労務担当者としては、とりわけ「従業員数が40人未満だが37.5人前後」という企業では、自社が新たに義務対象となるかどうかを早めに確認しておくことが重要です。 支店・営業所を含めた全社の常用雇用労働者数(週30時間以上は1人換算、週20〜30時間未満は0.5人換算)が37.5人以上となる場合、2026年7月以降は障害者の雇用義務が発生します。 法定雇用率引上げ後の「雇用義務人数」は、次の計算式で求めます。 障害者の雇用義務人数 = 常用雇用労働者数 × 2.7%(2026年7月以降) 小数点以下は切り捨てとなりますので、従業員規模によっては、1名または2名の雇用義務が新たに生じるケースもあります。 まずは、最新の人員データを用いたシミュレーションにより、「現状の雇用率」と「不足人数(義務人数 − 現在雇用している障害者数)」を把握
Takashi Fukunaga
5月1日読了時間: 3分


「個人事業者等の安全衛生」と化学物質対策の改正―元方事業者・発注者として押さえておきたい実務上の整理―
2026年4月は、子ども・子育て支援金制度や治療と仕事の両立支援、高年齢労働者の労災防止といったテーマに加え、「個人事業者等の安全衛生対策」や「化学物質による健康障害防止」が本格的に動き出したタイミングでもあります。 とりわけ、建設・製造・物流・設備保守など、多数の個人事業者や下請事業者が出入りする職場では、元方事業者や発注者としての責任範囲が広がっている点を、あらためて整理しておく必要があります。 まず、個人事業者等の安全衛生対策については、2025年5月14日の改正により、「注文者等の配慮義務」がすでに施行されています。 建設工事に限らず、仕事を他社や個人事業者に請け負わせる発注者は、施工方法・作業方法・工期・納期などについて、災害防止の観点から無理な条件を付さないよう配慮することが法的に求められるようになりました。 いわゆる短納期発注や、直前の仕様変更を前提とした発注慣行が、下請先やフリーランスの長時間労働・安全確保の困難さにつながりかねない点が、改めて明確化された形です。 これに続き、2026年4月1日からは、「混在作業場所における元方事
Takashi Fukunaga
4月30日読了時間: 4分


2026年度「実務カレンダー」と法改正をどう結びつけるか―単発対応から「年間スケジュール管理」への視点転換―
2026年4月は、「子ども・子育て支援金制度」「治療と仕事の両立支援」「高年齢労働者の労災防止」「女性活躍推進法の情報公表義務拡大」など、数多くの改正が同時に動き出した節目の月です。 一方で、人事・労務担当者の年間業務を眺めると、1月の法定調書・給与支払報告書、6月の労働保険年度更新、7月の算定基礎届、10月の最低賃金改定といった「毎年必ず発生する事務」があり、これらと法改正対応が重なることで、現場に大きな負荷がかかりやすい構造になっています。 2026年度は、4月1日施行の改正として、子ども・子育て支援金の控除設定・案内、高年齢労働者の労災防止や治療と仕事の両立支援の努力義務化、健康保険の被扶養者認定における「年間収入」判断の運用変更、女性活躍推進法に基づく情報公表の必須項目拡大などが同時にスタートしています。 これに加えて、7月には障害者雇用率の引上げ、10月には短時間労働者の社会保険適用拡大に関連する保険料負担調整措置やカスタマーハラスメント防止措置の義務化など、年度後半にも対応事項が控えています。 こうした中で、人事・労務担当者として意識
Takashi Fukunaga
4月28日読了時間: 4分


2025年「育児・介護改正」をどう整理するか―10月施行分も見据えた、いま押さえておきたい全体像―
2025年度は、育児・介護休業法や雇用保険法、高年齢者雇用安定法など、仕事と子育て・介護の両立や高年齢者雇用に関する改正が集中的に行われた年度でした。 2026年4月は、子ども・子育て支援金制度や治療と仕事の両立支援の努力義務化など新たなテーマへの対応に追われる一方で、「2025年改正分」についても、すでに施行済みの内容と、2025年10月施行予定の内容をあらためて整理しておくタイミングと言えます。 まず、2025年4月1日施行分としては、「育児」「介護」「高年齢者雇用」の三つの軸で押さえておくと整理しやすくなります。 育児分野では、子の看護休暇が「子の看護等休暇」として拡充され、対象年齢が小学校3年生修了まで引き上げられるとともに、感染症による学級閉鎖や入園式・入学式等への出席といった取得事由が明確化されました。 また、所定外労働の制限(いわゆる残業免除)の対象が小学校就学前までに拡大されており、「3歳未満までは残業免除、3歳以上は通常どおり」という従来の前提は見直しが必要となっています。 さらに、3歳未満の子を養育する従業員向けの育児短時間勤
Takashi Fukunaga
4月27日読了時間: 4分


ストレスチェック義務化拡大の前に確認しておきたいポイント―50人未満事業場も含めた「全社対応」を見据えて―
労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度は、これまで常時50人以上の労働者を使用する事業場にのみ実施義務が課されていましたが、2025年の法改正により、今後は50人未満の小規模事業場にも義務化されることが決まっています。 施行日は、2025年5月14日の公布日から3年以内に定められる政令の日とされており、現時点で具体的な年月日は確定していないものの、「いずれは全事業場が対象となる」方向性だけは明らかと言えます。 人事・労務担当者としては、「うちは本社が義務対象だから既に実施している」「小さな営業所には義務がない」という整理から、今後は「グループ全体・全事業場での運用をどう設計するか」に視点を広げておくことが求められます。 特に、従業員数が50人未満の支店・店舗・工場などが多い企業では、義務化のタイミングで一斉に対応を進めるよりも、今のうちから段階的に準備を始めておく方が、現場への負担や混乱を抑えやすくなります。 今回の改正では、従来どおり、医師・保健師等の実施者がストレスチェックを行い、高ストレスと判定された労働者から申出があった場合には、医師
Takashi Fukunaga
4月24日読了時間: 3分


高年齢労働者の労災防止の「努力義務化」―安全配慮義務との関係と、今のうちに押さえたい視点―
2026年4月1日から、高年齢労働者の労働災害防止について、事業者が必要な措置を講じることが法律上の「努力義務」として位置付けられました(労働安全衛生法)。 同じ日に施行された「治療と仕事の両立支援」と同様、すべての企業が対象となる改正であり、人事・労務担当者として基本的な考え方を押さえておくことが重要です。 まず前提として、高年齢労働者の安全確保は、今回の改正がなくとも、従来から「安全配慮義務」として企業に求められていたものです。 高齢者就業の増加に伴い、高年齢労働者の労災発生件数や、転倒・墜落など比較的軽微な事故であっても重篤化しやすい傾向が指摘されてきたことから、国として「高年齢者の就労実態を踏まえた災害防止措置」をあらためて指針として示し、取組みを促す趣旨と整理できます。 厚生労働大臣が公表した指針では、高年齢労働者の労災防止に関し、企業が留意すべき事項としておおむね次のようなポイントが挙げられています。 第一に、安全衛生管理体制の中で、高年齢労働者の災害防止を明確に位置付けることです。 具体的には、年齢構成や配置状況を把握したうえで、ど
Takashi Fukunaga
4月23日読了時間: 3分


勤務間インターバル制度と「短納期発注」是正の努力義務―働き方改革の中で見落としがちな2つのポイント―
2019年4月施行の働き方改革関連法では、時間外労働の上限規制や年次有給休暇5日の時季指定義務、月60時間超の残業に対する割増率引上げなど、企業にとってインパクトの大きい制度が注目されてきました。 一方で、同じ改正パッケージの中に位置付けられながら、比較的「後回し」になりがちなテーマとして、「勤務間インターバル制度」と「取引慣行の見直しに関する努力義務」があります。 どちらも、長時間労働の是正や健康確保、多様な働き方の推進という観点から重要であり、今後の人事・労務施策を考えるうえで押さえておきたいポイントです。 勤務間インターバル制度は、前日の終業時刻から翌日の始業時刻までに一定時間以上の休息時間を確保する仕組みを指します。 法律上の位置付けとしては、「労働時間等設定改善法」の改正により、事業主が終業から始業までの時間の設定について必要な措置を講じるよう努めなければならない、という「努力義務」として導入されました。 現時点では、罰則を伴う義務ではありませんが、長時間労働の抑制や、深夜残業・早朝出勤が続くことによる健康リスクを軽減する観点から、厚生
Takashi Fukunaga
4月22日読了時間: 5分


はじめての労務管理:最低基準を踏まえた「就業規則」と「労働契約書」の実務整理
前回は、労働基準法が定める「最低基準」のうえに、就業規則と個々の労働契約が積み上がる三層構造、そして有利・不利の比較で適用内容が決まる、という骨格を整理しました。 本日は、その前提を踏まえて、実務でよく迷いやすいポイントを「就業規則」と「労働契約書(労働条件通知書)」に分けて整理してみます。 固定残業代や変形労働時間制など個別テーマを検討される際にも、ここでの押さえどころを頭に置いていただくと判断がしやすくなるはずです。 まず、「労働契約」と「就業規則」はどのような関係かを、もう少し法律面から確認します。 労働契約法は、労働契約に関する基本ルールを示しており、その目的は、個別紛争を未然に防ぎながら、労働者保護と雇用関係の安定を図ることにあります。 このなかで重要なのが、労働契約の原則と就業規則の位置づけです。 労働契約の原則としては、労使対等の原則、均衡考慮の原則、仕事と生活の調和への配慮、信義誠実の原則、権利濫用の禁止といった考え方が示されており、個々の契約や運用を考える際の「憲法」のような存在だと考えていただくとイメージしやすいかと思います。
Takashi Fukunaga
4月21日読了時間: 6分


はじめての労務管理:労働条件の『最低基準』という考え方と就業規則・労働契約の関係
固定残業代や労働時間、年休など個別テーマに入る前提として、「そもそも労働基準法は会社に何を求めているのか」「就業規則や労働契約とどう関係するのか」を押さえておくと、実務判断がしやすくなります。 まず、労働基準法は「労働条件の最低基準」を定める法律である、という位置づけが大前提になります。 最低基準というのは、労使がどのような合意をしていても、ここより悪い条件にはできない、という“土台”のラインです。 したがって、例えば法定労働時間を超える所定労働時間を労働契約書で定めたり、最低賃金を下回る賃金額を合意しても、その部分は無効となり、法律上の基準で置き換えられます。 これを学説上「最低基準効」と呼び、強行的に法が優先するイメージで捉えると分かりやすいかと思います。 この最低基準効は、労働契約だけでなく、就業規則や労使協定にも同様に作用します。 例えば、就業規則で「所定労働時間は1日9時間、週45時間とする」と定めても、法定労働時間は1日8時間・週40時間ですので、超える部分は法定の時間外労働となり、36協定がなければ違法な時間外労働として扱われます。
Takashi Fukunaga
4月20日読了時間: 5分


はじめての労務管理:残業代の基本と「固定残業代(みなし残業)」の押さえどころ
本日は、これまで整理してきた「労働時間の原則」「36協定」「労働時間の実態把握」といった“時間管理”の話から一歩進んで、その結果として必ず問題になる「残業代」の基本、とくにトラブルになりやすい「固定残業代(みなし残業代)」について、ポイントを整理したいと思います。 前提となるのは、労働基準法が「1日8時間・1週40時間」を法定労働時間とし、これを超える時間外労働、法定休日労働、深夜労働については、それぞれ法定以上の割増賃金を支払う義務を定めているという点です。 時間外は25%以上(中小企業でも月60時間超部分は将来的に50%以上)、法定休日労働は35%以上、深夜労働は一律25%以上の割増率が必要となり、時間外と深夜が重なれば率も加算されます。 残業代の計算は「①割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金額」を算出し、「②対象となる時間数」に「③法定以上の割増率」を乗じる、という順番で考えると整理しやすくなります。 このとき、「割増賃金の基礎に算入するかどうか」が問題になる手当についても、あらかじめ整理しておくことが重要です。 家族手当・通勤手当・別居
Takashi Fukunaga
4月17日読了時間: 3分


はじめての労務管理:年次有給休暇の付与と管理の基本ポイント
年次有給休暇は、労働時間や36協定と並んで監督署調査・個別トラブルともに頻出のテーマです。 とくに最近は「年5日の時季指定義務」や、パート・有期契約社員への付与ルールなど、実務で迷いやすいポイントが多く、労務担当として基本を一度整理しておくことが重要です。 まず前提として、年休は「6か月継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した労働者」に対して付与するものです。 ここでいう「労働者」には、所定労働時間が短いパート・アルバイトや有期契約社員も含まれます。 週所定労働日数や所定労働時間が少ない場合には付与日数が比例的に少なくなる制度(比例付与)が認められており、この点を正しく押さえておかないと「パートには年休がない」という誤った運用になりかねません。 次に、時季指定義務のポイントです。 年10日以上の年休が付与される労働者については、使用者が「1年あたり5日」について、本人の希望も聴きながら時季を指定して取得させる義務があります。 本人が自発的に5日以上取得していれば追加の指定は不要ですが、取得状況を把握せずに放置していると、義務違反と評価され
Takashi Fukunaga
4月16日読了時間: 3分


はじめての労務管理:労働時間の「実態把握」と36協定運用のつなぎ方
本日は、これまで整理してきた「36協定の基本」「36協定締結状況の社内チェック」「過半数代表者の選出手続き」といった“枠組み”の話から一歩進んで、日々の労働時間管理と36協定の運用をどのようにつなげていくか、という視点で整理してみたいと思います。 前回までにご確認いただいたとおり、36協定は、法定労働時間(1日8時間・週40時間)や法定休日を超えて働かせるための「前提条件」に過ぎません。 協定書の体裁が整っていても、実際の所定外労働・法定外労働・法定休日労働の時間数が、協定で定めた上限や法定の上限規制(月45時間・年360時間、特別条項付きでも年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間以内等)を超えていれば、その時点で法令違反となり得ます。 このとき重要になるのが、「労働時間の実態をどれだけ正確に把握できているか」です。 労働時間とは、就業規則や雇用契約上の書きぶりではなく、「使用者の指揮命令下にある時間」「使用者の明示・黙示の指示により業務に従事している時間」を指し、実際に働いた時間を一方的に「残業時間とは認めない」と扱うことはできま
Takashi Fukunaga
4月15日読了時間: 3分


はじめての労務管理:36協定チェックと「過半数代表者」選出の実務ポイント
本日は、「36協定の締結状況を社内で確認する際のチェックポイント」と「あわせて押さえておきたい過半数代表者(従業員代表)選出の実務上の留意点」について整理します。 いずれも形式面の不備があると、協定そのものが無効と評価されかねない部分ですので、労務担当として一度体系的に見直しておくことが重要です。 まず36協定の社内チェックですが、最初に確認したいのは「事業場ごとに、現在有効な協定が存在し、労基署に届出されているか」という点です。 協定書だけが社内にあり届出をしていないケース、逆に届出控えだけが残っていて労使協定書が行方不明になっているケースも散見されます。 有効期間が切れていないか、対象とする事業場と労働者の範囲が実態と合っているかもあわせて確認が必要です。 協定で定めた時間外・休日労働の上限が、月45時間・年360時間(特別条項付きでも年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間以内、月45時間超は年6か月以内)といった法定上限と整合しているかも必ず押さえます。 届出様式のチェック欄の漏れや、法定休日労働の記載抜けなど、書式上の不備に
Takashi Fukunaga
4月14日読了時間: 3分


はじめての労務管理:36協定と「時間外労働」の基本を押さえる
本日は、前回お伝えした「1日8時間・1週40時間」という法定労働時間の原則を踏まえつつ、それを超えて時間外労働・休日労働をさせる際に必ず押さえておきたい「36協定」の基本について整理します。 まず確認したいのは、法定労働時間や法定休日を超えて労働させる場合、労働基準法上は「36協定(時間外・休日労働に関する協定)」の締結と所轄労働基準監督署への届出が義務付けられているという点です。 この手続をしていない状態で残業や法定休日労働をさせると、それだけで法令違反となり得ます。 36協定は、会社が一方的に決めることはできず、事業場の過半数労働組合、または労働者の過半数代表者と書面で協定を結ぶ必要があります。 この「過半数代表者」は、管理監督者を除く労働者からの投票・挙手等により選出することが求められ、会社側が指名する形で形式的に選任することは適切ではありません。 協定書には、時間外労働・休日労働をさせることができる「業務の範囲」と「限度時間」を具体的に定める必要があります。 単に「業務多忙のとき」などの包括的・抽象的な書き方ではなく、繁忙期対応、機械のト
Takashi Fukunaga
4月13日読了時間: 3分


はじめての労務管理:労働時間の「原則」を正しく押さえる
本日は、労務管理の中でも特にトラブルになりやすい「労働時間」の原則について整理します。 労働時間に関するルールは、残業代の支払いだけでなく、健康管理や生産性にも直結する重要なテーマです。 まずは、労働基準法が定める「基本ライン」を押さえておくことが、実務対応の出発点となります。 労働基準法では、原則として「1日8時間・1週40時間」を超えて労働させてはならないと定められています。 この時間を「法定労働時間」と呼び、雇用契約を締結する際にも、法定労働時間を超える所定労働時間を一方的に設定することはできません。 仮に1日9時間、週50時間といった前提で契約を結んだとしても、その「法定時間を超える部分」は時間外労働として扱われ、適切な手続と割増賃金の支払いが必要になります。 ここで注意したいのは、「会社で決めた所定労働時間」と「法律で決められた法定労働時間」は必ずしも一致しないという点です。 例えば「9時から18時まで休憩1時間」の場合、所定労働時間は1日8時間となり、法定労働時間の範囲内です。 一方、「9時から19時まで休憩1時間」とすると、所定労働
Takashi Fukunaga
4月10日読了時間: 2分


はじめての労務管理:「労働基準法」は何を守ってくれる法律か
本日から、企業の労務管理や社会保険に関するポイントを、1テーマずつコンパクトにお伝えしていきます。 初回の今日は、すべての労務管理の土台となる「労働基準法」の意義と性格について整理してみます。 労務担当者としてまず押さえておきたいのは、「労働基準法は労働条件の“最低基準”を定めた法律である」という点です。 条文上も、労働条件は「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきもの」とされており、この最低ラインを下回る契約や就業規則は無効となります。 したがって、就業規則や雇用契約書を検討する際には、「自社ルールが法定基準を上回っているか」という視点が欠かせません。 もう一つ重要なのは、労働基準法が複数の顔を持つということです。 第一に、行政が企業を指導・監督するための「行政取締法規」としての性格があります。 労働基準監督署による是正勧告や指導は、この機能に基づいて行われます。 第二に、違反した場合には罰則が科され得る「刑罰法規」としての側面もあります。 例えば、法定時間外割増を支払わない、労働時間の上限規制を無視するといった行為は、単なる“
Takashi Fukunaga
4月9日読了時間: 3分
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