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来年度の雇用保険料率、2年連続の引き下げで1.35%へ。厚労省が調整
厚生労働省は12日、令和8年度(2026年度)の雇用保険料率について、現在の1.45%から1.35%に引き下げる方針を固めました。 これは昨年度に続き、2年連続での引き下げとなる見通しです。 背景には、雇用情勢の改善により失業手当の支給総額が想定よりも抑えられていることや、雇用保険財政の安定化が挙げられます。 具体的には、失業等給付、育児休業給付、雇用保険二事業の3つの料率区分のうち、失業等給付の料率を中心に引き下げが検討されています。 企業の人事労務担当者にとっては、非常にポジティブかつ実務的な影響の大きいニュースです。 近年、社会保険料率は上昇トレンドにあり、企業の法定福利費負担は年々重くなる一方でした。 その中で、たとえ0.1%の幅であっても、料率が下がるということは、従業員の手取り増加と会社負担の軽減に直結します。 特に、従業員数の多い企業や人件費率の高い業種においては、年間のコスト削減効果は決して小さくありません。 今後のスケジュールとしては、労働政策審議会での議論を経て、正式に料率が決定される運びとなります。 正式決定後は、給与計算シ
Takashi Fukunaga
1 日前読了時間: 2分


年末年始の休暇は「法定休日」ではありません。割増賃金の計算ミスを防ぐ基礎知識。
12月も半ばとなり、社内の年末年始休暇のお知らせが出始める時期となりました。 多くの企業では12月29日頃から1月3日頃までを連休としているケースが多いですが、この期間に出勤した場合の賃金計算について、誤った認識を持っている事例が少なくありません。 よくある間違いが「年末年始は休みだから、働いたらすべて休日労働(35%増し)になる」という思い込みです。 労働基準法における「休日」には、明確に二つの種類があります。 一つは法律で義務付けられた週1回(または4週4日)の「法定休日」。 もう一つは、会社が独自に定めた「法定外休日(所定休日)」です。 一般的に、年末年始の休みは後者の「法定外休日」に該当することがほとんどです。 もし、この法定外休日に労働させた場合、その週の労働時間が40時間を超えていれば「時間外労働」としての割増率(25%以上)が適用されますが、法定休日労働としての割増率(35%以上)までは法律上求められていません。 つまり、就業規則で「年末年始は法定休日とする」と特段の定めがない限り、年末年始の出勤は35%増しではなく、通常の残業と同
Takashi Fukunaga
2 日前読了時間: 2分


現場の安全を守るリーダーたちへ。「令和7年度 安全優良職長厚生労働大臣顕彰」の受賞者が決定しました。
厚生労働省より、建設業や製造業などの現場において、優れた安全指導力を発揮している「職長」を称える「安全優良職長厚生労働大臣顕彰」の令和7年度の受賞者が発表されました。 この顕彰制度は、高い技能を持ちながら、部下の安全衛生教育や指揮監督において模範となる職長(現場リーダー)を国が直接評価するものです。 人手不足が深刻化する昨今の産業界において、現場の安全を守りながら生産性を維持することは容易なことではありません。 そのような中で、長年にわたり無災害を継続し、適切なリスクアセスメントや安全指導を実践しているリーダーの存在は、企業の宝とも言えるでしょう。 今回の公表は単なる受賞者の発表にとどまらず、すべての企業に対して「現場の安全管理能力」の重要性を再認識させるメッセージでもあります。 労働災害の多くは、不安全な行動や設備の不備だけでなく、現場でのコミュニケーション不足や指揮命令系統の曖昧さから生じることが少なくありません。 だからこそ、現場の最前線に立つ職長が、正しい知識とリーダーシップを持って部下を導くことが、災害防止の最後の砦となります。...
Takashi Fukunaga
3 日前読了時間: 2分


【厚労省公表】「年末年始無災害運動」がスタート、繁忙期の事故防止へ重点チェック事項を確認
生労働省および中央労働災害防止協会は、本年も12月1日から翌年1月15日までの期間を「年末年始無災害運動」と定め、職場における労働災害防止の徹底を呼びかけています。 公表された実施要綱によると、年末年始は業務の繁忙や、大掃除・機械設備の保守点検など、普段とは異なる作業が増加するため、労働災害のリスクが極めて高くなる時期であると指摘されています。 今年度の運動では、特に「転倒災害の防止」と「交通労働災害の防止」が重点事項として掲げられました。 統計的に見ても、冬季は路面の凍結による転倒や、日没が早いことによる交通事故が多発する傾向にあります。 また、非定常作業(機械のトラブル対応や清掃など)における「はさまれ・巻き込まれ」事故も、この時期に発生しやすい災害の一つです。 企業の人事労務担当者や安全管理者が、この公表を受けて直ちに行うべきことは、職場内のリスク再点検です。 具体的には、通路や階段の照明が切れていないか、床面に水濡れや段差がないかといった物理的な点検に加え、作業手順書が最新の状態になっているかの確認が求められます。 特に、年末の大掃除や設
Takashi Fukunaga
4 日前読了時間: 2分


【統計速報】10月の現金給与総額は増加も実質賃金は横ばい、物価上昇との拮抗続く
厚生労働省は12月6日、最新の毎月勤労統計調査(10月分速報)の結果を公表しました。 公表された調査結果によると、基本給や残業代などを合わせた労働者1人あたりの現金給与総額(名目賃金)は、前年同月と比較してプラスとなり、長引く物価高に対応するための賃上げ効果が数値として表れています。 特に基本給を中心とする所定内給与の伸び率は堅調に推移しており、多くの企業でベースアップや初任給の引き上げが実施された影響が継続していることが確認されました。 一方で、物価の変動分を差し引いた実質賃金については、前年同月比でマイナス0.1%となり、ほぼ横ばいの状態で推移しています。 これは名目上の賃金額は増えているものの、消費者物価指数の上昇率も依然として高い水準にあるため、賃金の伸びが物価の上昇によって相殺されている状況を示しています。 就業形態別に見ると、一般労働者とパートタイム労働者の双方で時間当たりの賃金は上昇していますが、総実労働時間には減少傾向も見られ、働き方の変化が給与総額に影響を与えている側面も読み取れます。 今回公表されたデータは、企業における賃上げ
Takashi Fukunaga
5 日前読了時間: 2分


【制度改正】出産費用の「保険適用」導入へ議論本格化、医療保険部会が改革案を検討
厚生労働省の社会保障審議会(医療保険部会)は、次期医療保険制度改革に向けた議論を行い、少子化対策の柱となる「出産費用の支援強化」について具体的な検討に入りました。 今回の部会で焦点となったのは、現在「出産育児一時金(50万円)」として現金給付されている仕組みを見直し、分娩にかかる費用そのものを公的医療保険の対象とする、あるいは「標準的な費用」を設定して現物給付化するといった改革案です。 正常分娩はこれまで「病気ではない」として保険適用の対象外でしたが、施設ごとに費用格差が広がっている現状や、一時金では賄いきれない自己負担の増加を背景に、制度の抜本的な見直しが急務とされています。 また、同部会では高齢者の窓口負担の見直しや、現役世代の保険料負担の軽減策についても併せて議論が行われており、全世代型社会保障への転換が加速しています。 この議論が進めば、将来的に企業の健康保険実務にも大きな影響を与えることは確実です。 例えば、出産手当金や一時金の申請手続きが簡素化される可能性がある一方で、保険料率への跳ね返りや、新たな負担構造の決定など、注視すべきポイン
Takashi Fukunaga
6 日前読了時間: 2分


【冬の労務管理】インフルエンザ等流行期の「出勤停止」と「休業手当」の判断基準
12月に入り、気温の低下とともにインフルエンザや感染性胃腸炎といった感染症のリスクが高まる季節となりました。 企業の人事労務担当者として、従業員がこれらの感染症に罹患した場合の就業ルールの再確認をしておくことが極めて重要です。 現場でよくある相談として、「熱がある従業員に休むよう会社から命じた場合、休業手当の支払いは必要か」というものがあります。 原則として、インフルエンザ(5類感染症)などの場合、会社側が感染拡大防止のために「出勤しないでください」と業務命令として休ませるならば、労働基準法上の休業手当(平均賃金の6割以上)の支払いが必要となるケースが一般的です。 これは、就労可能な状態であるにもかかわらず、会社の都合(判断)で休ませたという扱いになるためです。 一方で、医師の指導により従業員自身が療養する場合や、本人が体調不良を申し出て休む場合は、通常の欠勤や、本人の希望による有給休暇の消化という処理になります。 後々のトラブルを避けるためには、就業規則において「感染症罹患時の取り扱い」や「出勤停止の要件」を明確に定めておくことが効果的です。.
Takashi Fukunaga
12月7日読了時間: 2分


連合が方針決定、中小企業の賃上げと「価格転嫁」が最大の焦点に
2026年の春季生活闘争、いわゆる春闘に向けた基本構想が固まり、労働組合の中央組織である連合が具体的な方針を決定しました。 長引く物価高騰や人手不足を背景に、経済の好循環を止めることなく持続的な成長を目指すため、前年に続き「5%以上」という高い水準での賃上げを求める内容となっています。 今回の方針の中で特に注目すべきポイントは、大企業と中小企業の間にある賃金格差の是正を最優先課題として掲げている点です。 日本の雇用の大半を支える中小企業において賃上げが進まなければ、実質賃金の安定的な上昇は実現できないという強い危機感が示されています。 しかし、原材料費やエネルギーコストの上昇に苦しむ中小企業にとって、原資の確保なしに大幅な賃上げを行うことは経営を揺るがしかねない重大な問題です。 そこで重要視されているのが、サプライチェーン全体での適正な取引関係の構築と、労務費を含むコスト上昇分の「価格転嫁」です。 下請け企業が親会社に対して価格交渉を行いやすい環境を作ることこそが、中小企業の賃上げを実現する唯一の道筋であると強調されています。...
Takashi Fukunaga
12月6日読了時間: 2分


ストレスチェック、従業員50人未満でも義務化へ。厚労省検討会が方針。
厚生労働省の検討会は、労働安全衛生法に基づく「ストレスチェック制度」について、すべての事業所に対象を拡大する方針を固めました。 これまでは従業員数が50人以上の事業所にのみ実施義務があり、50人未満の小規模事業所については当分の間「努力義務」とされていました。 しかし、近年は精神障害の労災認定件数が過去最多を更新し続けており、事業所規模にかかわらずメンタルヘルス対策の強化が急務であると判断されたものです。 新たな制度案では、これまで義務対象外だった小規模事業所の負担を考慮し、産業医の選任要件の緩和や外部機関の活用を促進する仕組みもセットで検討されています。 実施時期については数年の猶予期間が設けられる見通しですが、これまで対応が任意であった中小企業の経営者にとっては、新たな実務対応が必要となります。 ストレスチェックは、単に従業員のストレス度を測るだけでなく、職場環境の改善につなげるための重要なツールです。 法改正による義務化を待つのではなく、早期に職場のメンタルヘルス対策に取り組むことは、人材の定着や生産性の向上といった経営上のメリットにも直結
Takashi Fukunaga
12月5日読了時間: 2分


「障害者雇用代行ビジネス」に是正の動き、厚労省が運営指針作成へ
障害者雇用の現場に大きな影響を与えるニュースが明らかになりました。 厚生労働省は、企業に代わって障害者の働く場を提供する「代行ビジネス」について、事業者向けの運営指針(ガイドライン)を作成する方針を固めました。 近年、法定雇用率の引き上げに伴い、自社での採用が難しい企業が農園型などの「代行ビジネス」を利用して雇用率を達成するケースが増えています。 しかし、こうしたサービスの利用に関しては、「障害者が本業と無関係な業務に従事させられている」「職場が隔離されており、共生社会の理念に反する」といった指摘がかねてよりなされていました。 今回の指針作成は、こうした現状にメスを入れ、障害者雇用の「質」を確保することが狙いです。 具体的には、代行事業者が専門スタッフを配置しているか、個々の障害者の特性に合った業務を提供しているかといった点がチェックされる見通しです。 単に数字上の雇用率を達成するためだけでなく、実質的な就労の場として機能しているかが厳しく問われる時代が到来したと言えるでしょう。 企業の皆様におかれましては、「代行を使えば解決する」という安易な考
Takashi Fukunaga
12月4日読了時間: 2分


労基法改正案──14日以上連続勤務禁止など見直しの方向性
厚生労働省の検討会で、約40年ぶりとなる大幅な労働基準法の見直し案が議論されています。 今回の検討案では、働き方に大きな影響を及ぼす複数のポイントが示されており、企業としても早めの情報整理が必要です。 まず注目されているのが、14日以上の連続勤務を禁止するという見直し案です。 現行制度では、4週4休の枠組みを用いることで理論上は長期間の勤務が可能でしたが、繁忙期に休めないケースが問題視されてきました。 改正案では、働く人の健康確保の観点から、最大13日連続までとし、それを超えて勤務させることを認めない方向性が示されています。 次に、法定休日の特定義務化も大きな論点です。 特にシフト制や変形労働時間制では、どの日が法定休日に該当するのか不明確な場合があり、休日割増賃金の計算や振替休日の運用でトラブルにつながりやすい状況が生じていました。 法定休日をカレンダーや就業規則で明示することで、管理を適正化する狙いがあります。 さらに、勤務間インターバル制度の義務化や、有給休暇取得時の賃金算定方法の一本化、副業兼業者の割増賃金の取り扱い整理、週44時間特例の
Takashi Fukunaga
12月4日読了時間: 2分


「マイナ保険証」への完全移行──従来型保険証は12月2日から使用不可に
日本で長年使用されてきた従来型の健康保険証が、2025年12月1日をもって有効期限を迎えました。 これに伴い、12月2日からは「マイナ保険証」または「資格確認書」で受診する仕組みへ移行します。 現行の保険証で医療機関を受診できる期間は終了するため、今後は提示方法が変わる点に注意が必要です。 マイナ保険証は、マイナンバーカードに健康保険証機能を搭載したもので、医療機関ではオンライン資格確認に利用されます。 医療機関側は、患者の薬剤情報や特定健診情報などを参照でき、より適切な診療につなげることが期待されています。 一方で、マイナンバーカードを取得していない人や、保険証利用の登録ができていない人は、「資格確認書」が必要になります。 資格確認書を所持していない場合、受診時に手間取る可能性があるため、早めの確認が大切です。 企業においては、従業員本人やその家族がスムーズに受診できるよう、マイナ保険証登録の状況を把握したり、資格確認書の案内を行ったりすることが望まれます。 特に、新入社員や扶養家族の多い職場では事前の周知が効果的です。 今回の移行は、医療のデ
Takashi Fukunaga
12月3日読了時間: 2分


12月の年金手取りが変わる理由。 源泉徴収一括精算のポイントを整理します
公的年金の源泉徴収税額が、12月支給分でまとめて精算されることが日本年金機構から公表されました。 令和7年度の税制改正で基礎控除が引き上げられたことが背景にあり、これまで1〜11月に計算されていた税額との差が、12月に再計算される仕組みです。 この精算によって、12月の年金の手取り額が通常より増える方もいれば、逆に税額が追加される方もいます。 とくに複数の年金を受給している方や、ほかの収入がある方は影響を受けやすく、振込額が「いつもと違う」という状況になりやすいため注意が必要です。 今回の一括精算は自動的に行われますので、受給者が追加の手続きを行う必要はありません。 しかし、案内通知をよく読んでおくことや、源泉徴収の仕組みをある程度理解しておくことは安心につながります。 とくに12月の支給額をあてにしている方にとって、手取り変動は生活設計に影響する可能性があります。 必要に応じて、年金事務所や相談窓口で確認できる体制が整っているため、不明点は早めに確認することが大切です。 制度の変更点を知っておくことで、安心して年金を受け取るための準備がしやすく
Takashi Fukunaga
12月1日読了時間: 1分


公的年金の税制改正と雇用保険料率の動き。 年末に押さえておきたい“負担と還付”のポイント
年金と雇用保険をめぐって、「負担」と「還付」に関する重要な動きが同時に進んでいます。 日本年金機構は、令和7年度税制改正により所得税の基礎控除が引き上げられることを受け、公的年金の源泉徴収税額を令和7年12月支給分でまとめて精算する方針を公表しました。 この結果、受給者のなかには「12月だけ手取りが増える」「逆に少し減る」といったケースも想定され、事前の説明不足は不安や問い合わせ増につながりかねません。 同時に、日本年金機構は「公的年金の所得税の還付」に関するチャットボット案内を開始しました。 受給者が24時間いつでも仕組みや還付の考え方を確認できるようになったことは、高齢者とのコミュニケーションを支える実務ツールとしてとっても心強いところです。 「まずチャットボットで概要を押さえ、そのうえで個別相談へ」という導線を提案しておくと、年末の問い合わせ集中を和らげられるかもしれません。 一方、雇用保険では、厚生労働省が労政審雇用保険部会に財政状況を報告し、失業等給付の保険料率について引下げの余地があることが示されたと報じられています。...
Takashi Fukunaga
11月30日読了時間: 2分


被扶養者判定の“130万円の壁”が変わる。 制度改革が企業実務にもたらす影響とは
厚生労働省が示した被扶養者認定基準の見直し案は、長年運用されてきた「130万円の壁」に大きな変化をもたらす可能性があります。 今回の案では、2026年4月から収入見込みではなく、労働契約に基づく賃金額で被扶養者かどうかを判断する仕組みへ移行するとされています。 この変更により、パートや短時間労働者が「扶養から外れるかもしれない」という不確実性が減少します。 一方で、企業には労働条件通知書や雇用契約書の内容がそのまま扶養判定に影響することから、契約書の整備や見直しが求められます。 特に、就業時間や賃金額の設定が曖昧なケースでは、扶養認定の判断に影響が出るため注意が必要です。 併せて公表された医療DX推進方針では、電子カルテ情報の全国共有など、医療現場のデジタル化が一層進む見通しです。 医療機関にとってはシステム更新や運用体制の見直しが必要となることでしょう。 さらに、国会に提出された雇用保険法等の改正案では、失業給付や教育訓練支援の見直しが含まれ、労働市場の変化に応じた支援策が盛り込まれています。 企業側には人材育成計画やキャリア形成支援の見直しが
Takashi Fukunaga
11月29日読了時間: 1分


スポットワーク時代のガバナンス――「直接雇用」の原則をどう守るか
副業やスキマバイトといった「スポットワーク」が一般化しつつあります。 社会保険研究所のインタビュー記事では、スポットワーク協会の後藤一重事務局長らが、「スポットワークは直接雇用」という原則を掲げながら、事業者自らがルールを作り、行政との対話を通じてガバナンスの枠組みを整えていく必要性を語っています。 スポットワークは、事業者からすると「一時的な戦力確保」、働き手からすると「時間と場所を選べる働き方」という魅力があります。 一方で、雇用か請負かが曖昧なまま運用されると、労働時間管理や安全配慮、社会保険の適用といった基本的な保護が置き去りになりかねません。 実務上も、「とりあえず業務委託で…」という判断が、後に偽装請負・名ばかりフリーランスと評価されるリスクをはらんでいます。 今回の記事が示すポイントは、こうした新しい働き方を規制だけで抑え込むのではなく、「事業者側の自主ルール」と「行政との対話」を通じて、実態に即したガバナンスを構築しようとしている点です。 スポットワーク協会が、労働時間管理や複数事業者間での情報連携のあり方などについて提言している
Takashi Fukunaga
11月27日読了時間: 2分


OTC類似薬の追加負担案は、医療の“適正利用”を進める転機となるか
厚生労働省が、市販薬と成分が近い「OTC類似薬」について、保険適用を維持しながら追加負担を求める案を軸に調整していると報じられました。 この議論は、医療費の増大が続く中で、どのように“必要な医療”と“過剰な受診”を整理するのかが問われている点で重要です。 これまで、軽度の症状でも保険診療を利用するケースが一定数存在し、医療現場の負担にもつながっていました。 一方で、完全な保険外しは受診控えを招きかねず、患者が健康悪化を招くリスクもあります。 今回の案は、その中間にあたる「適正な負担」を求める仕組みとして注目されています。 とりわけ、高齢者や子ども、慢性疾患患者が追加負担の対象外となる方向で調整されている点は、必要な医療がきちんと確保されるという意味で評価できます。 一方で、どの薬を対象とするか、どの程度の負担にするかなど、線引きの難しさも残っています。 医療費の削減と、現場の負担軽減、そして利用者の安心をどう両立するか。 今回の制度見直しは、医療を必要な場面で適切に使うという本来の目的を、社会全体で改めて考えるきっかけになるはずです。
Takashi Fukunaga
11月26日読了時間: 1分


5年を迎えた同一労働同一賃金―見直し議論の焦点とは
同一労働同一賃金が施行されてから5年が経ち、制度のあり方について見直し議論が本格化しています。 当初は正社員と非正規雇用との不合理な待遇差をなくすことが目的とされましたが、実際の運用では判断に迷うケースも多く、現場での戸惑いが指摘されてきました。 最新の審議会では、待遇差が問題になりやすい「賞与」「各種手当」「教育訓練」「福利厚生」などが重点項目として挙げられているようです。 特に、仕事内容や責任は近いのに手当だけが異なるといったケースでは、本人の納得感を得にくいとの声があり、基準の明確化が課題とされています。 また、制度導入から時間が経つなかで、当初整理されていた運用ルールが曖昧になっている企業も少なくないでしょう。 職務内容が変化したにもかかわらず待遇差の見直しが行われていない例や、歴史的な慣行だけが残っている例など、制度と実態がずれてしまう状況も考えられます。 こうした制度の形骸化を防ぐためにも、今回の見直しは運用状況を一度整理する機会といえそうです。 見直し議論の中では、中小企業が特に負担を感じやすい点も指摘されています。...
Takashi Fukunaga
11月26日読了時間: 2分


介護職の処遇改善が再び議論に――人材確保のカギは何か
介護分野の人材確保が深刻な課題となるなか、政府の有識者会議で、介護職の処遇改善を再強化すべきだという意見が相次いでいるようです。 少子高齢化の進行により、介護需要は増え続ける一方で、現場を支える人材は十分に確保できていません。 とりわけ離職率の高さは依然として大きな問題で、給与水準と業務負担のバランスが課題と指摘されます。 近年、処遇改善加算や所得向上策が導入され一定の効果はあったものの、現場からは「まだ十分ではない」との声を耳にします。 理由の一つは、業務の専門性が高まっているにもかかわらず、評価制度が追いついていない点です。 介護が単なる身体介助にとどまらず、認知症ケアや医療的ケアを含む多職種連携へと進化しているにもかかわらず、賃金へ反映されにくい状況があります。 さらに、介護サービス事業所の経営環境も無視できません。 人件費比率の高さや利用者の負担増への懸念から、賃上げだけでは現場の負担が増し、事業継続が難しくなるケースも考えられます。 このため、処遇改善と同時に業務効率化の支援やICT導入補助など、現場の働きやすさを底上げする施策が求めら
Takashi Fukunaga
11月25日読了時間: 2分


医療保険料に金融所得を反映する議論が意味するもの
厚生労働省が、医療保険料や窓口負担の割合を決める際に、金融所得をどう扱うか検討しているというニュースが報じられました。 給与や年金収入だけではなく、株式配当や投資信託の分配金なども含めて「本当の負担能力」を反映させようという考え方です。 背景には、現役世代の保険料負担が重くなる一方で、資産を多く保有する高齢世帯も少なくないという現状があります。 同じ年収でも、金融資産の有無によって生活の余裕が大きく異なる中で、負担の線引きをどうするかが課題になっています。 しかし、金融所得をどこまで正確に把握し、どの程度反映させるのかという実務面のハードルは高いと言われています。 税務情報との連携や、自治体ごとの算定方式の違い、プライバシー保護の観点など、慎重な設計が求められる部分も多くありそうです。 また、「金融所得が多い人ほど保険料が増える」仕組みに対しては、長年コツコツと投資を続けてきた人の意欲をそいでしまうのではないか、という懸念も出てきますし、単に「取れるところから取る」という発想になってしまえば、制度への納得感を得ることは難しくなるでしょう。...
Takashi Fukunaga
11月24日読了時間: 2分
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