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カスハラ対策の新局面――従業員を守る組織の責任が明確に
サービス業界を中心に長年の課題となってきたカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」への対策が、いよいよ制度として大きく動きます。 近年の法改正により、企業に対してカスハラ防止のための「雇用管理上必要な措置」を求める枠組みが整備され、施行日は「公布の日から起算して1年6か月以内で政令で定める日」とされています。 審議会資料などでは、施行期日を2026年10月1日とする方向(政令案・予定)も示されており、企業側の準備が実質的に求められる局面に入っています。 施行に向けて企業に求められるのは、現場任せや個人の我慢に依存しない体制づくりです。 まず重要なのは、社内で「カスハラに当たり得る行為」を整理し、相談があったときに受け止められる窓口や報告ルートを整えることです。 あわせて、現場が迷わないように、対応の基本方針や記録の取り方、エスカレーション(上長・本部・外部機関)基準を含む運用ルールを用意しておく必要があります。 また、被害を受けた従業員のケアも欠かせません。 相談後のフォロー、配置や勤務の調整、必要に応じた産業保健スタッフとの連携など、心身の
Takashi Fukunaga
16 時間前読了時間: 2分


健康保険証の有効期限が過ぎていたら?移行期の受診ルールと2026年春までの備え
2024年12月に従来の健康保険証の新規発行が停止されてから、マイナ保険証への移行が本格化しています。 その一方で、保険証の有効期限が到来しているのを見て「もう使えないのでは」と不安になる場面も増えています。 まず基本ルールとして、従来の健康保険証は「新規発行が止まった=直ちに使えなくなる」ではなく、有効期限まで使用できます。 また、従来の保険証の有効期限は最長でも2025年12月1日までと整理されています。 2025年12月2日以降は、原則としてマイナ保険証または資格確認書で受診する運用へ移行します。 次に誤解が起きやすいのが「2026年3月末まで」という話です。 これは、有効期限が過ぎた保険証が“有効な証票として復活する”という意味ではありません。 移行期の混乱を避けるため、たとえば有効期限が過ぎた保険証等を持参してしまった場合でも、医療機関側がオンライン資格確認などで保険資格を確認できたときは、窓口でいきなり10割負担を求めるのではなく、通常の自己負担割合(3割など)で受診・請求してよい、という暫定的な取扱いが示されています。...
Takashi Fukunaga
2 日前読了時間: 2分


2026年4月から扶養判定が変わる――「年収の壁」は“振込額”より「契約内容」へ
「年収の壁」を気にして働く時間をセーブせざるを得ない状況は、多くのパートタイム労働者やその家族にとって長年の悩みでした。 この点に関し、健康保険の被扶養者認定における収入確認の考え方について、2026年4月1日以降、労働契約等に基づく「今後の収入見込み」をより重視する取扱いが示されています。 これまでの実務では、月々の給与が変動する場合、直近の支給実績や勤務状況をもとに「このままのペースで働くと年収130万円を超えそうか」を見立てることが多く、繁忙期の残業や突発的な手当で一時的に収入が増えるだけでも、扶養の見直しを心配する場面がありました。 その結果として、基準を超えないように働き控えが起きやすい、という課題が指摘されてきました。 2026年4月1日以降の取扱いでは、給与収入のみの方について、労働条件通知書や雇用契約書など「労働契約等から見込まれる賃金」を基礎に、今後1年間の収入見込みを判断する考え方が明確にされています。 ここでいう「見込まれる賃金」は、基本給や定例的な手当を中心に捉え、時間外手当などは原則として年収見込みに含めない扱いとされて
Takashi Fukunaga
5 日前読了時間: 3分


在職老齢年金の「壁」が緩和へ――令和8年4月から支給停止の基準額が引き上げに
少子高齢化が進み、長年培った経験や知識を持つベテラン層の活躍がこれまで以上に期待される中、働くシニア世代の背中を後押しする制度見直しが予定されています。 それが、在職老齢年金における支給停止の調整基準(いわゆる支給停止調整額)の引き上げです。 在職老齢年金は、老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金の被保険者として働く場合に、一定の条件下で老齢厚生年金(主に報酬比例部分)が減額される仕組みです。 これまでは、賃金と老齢厚生年金の合計が一定額を超えると年金が調整されるため、あえて働く時間を抑えたり、収入を調整したりするケースが起こりやすい構造がありました。 今回の見直しは、こうした「損をしないための就業調整」を緩和し、高齢者の就業継続を後押しする趣旨と整理できます。 見直しのポイントは、年金の支給停止が生じる“起点”となる基準額が引き上げられることです。 日本年金機構および厚生労働省の資料では、令和8年4月から、賃金と老齢厚生年金の合計による基準額が「月51万円」から「月62万円」に引き上げられることが示されています。 ただし、この基準額は賃金の動向等
Takashi Fukunaga
6 日前読了時間: 3分


裁量労働制を「希望」する人は3割超――いま問われるのは制度拡大ではなく運用の質
経団連が2025年11月に実施・公表した「ホワイトカラー労働者の裁量労働制適用ニーズ等に関する調査結果」では、現在裁量労働制が適用されていない労働者のうち33.0%が「適用を希望する」と回答したとされています。 この結果は、画一的な時間管理よりも、自分の裁量で仕事の進め方や時間配分を組み立てたいというニーズが、一定の厚みを持って存在していることを示唆します。 ただし、ここで押さえておきたいのは、裁量労働制は「成果で報酬が決まる制度」そのものではない、という点です。 裁量労働制は、一定の要件を満たす業務について、実際に働いた時間ではなく、あらかじめ定めた「みなし労働時間」を働いたものとして扱う仕組みです。 成果で評価するかどうかは、制度の適用そのものより、企業側の評価制度や賃金制度の設計に大きく左右されます。 それでも、制度への関心が高まる背景には、働き方の環境変化があります。 テレワークやデジタルツールの普及により、場所や時間に縛られずに成果を出せる仕事が増えました。 特に専門職や企画・クリエイティブ領域では、集中できる時間帯に集中的に働く方が、
Takashi Fukunaga
7 日前読了時間: 3分


治療と仕事の両立支援が当たり前になる職場へ――企業が押さえたい実務の要点
医療技術の進歩により、かつては長期入院や離職を余儀なくされた病気であっても、通院しながら仕事を続けられるケースが増えています。 こうした変化を受けて、治療を継続しながら働く人を職場で支える「治療と就業の両立支援」は、企業にとって重要度を増しています。 制度面でも、両立支援に関する取組を進めることが企業に求められる流れが明確になっており、単なる福利厚生というより、人材の確保・定着やリスク管理の観点からも見過ごせないテーマになっています。 両立支援の対象は、がん、心臓病、糖尿病といった継続的な治療が必要な疾病に限りません。 治療の内容や体調の波、副作用の有無、通院頻度は人によって大きく異なります。 そのため「特定の制度を一律に整えればよい」というよりも、本人の状態と業務内容に応じて、現実的な働き方を組み立てる姿勢が重要です。 企業が取り組みやすい対応としては、柔軟な働き方の選択肢を増やすことが挙げられます。 たとえば、半日・時間単位で休みを取りやすくする運用、時差出勤、短時間勤務、在宅勤務やテレワーク、通院日に合わせたシフト調整などです。...
Takashi Fukunaga
1月27日読了時間: 3分


無人運転時代の労災防止――建設・港湾の現場で求められる新しい安全ルール
深刻な人手不足を背景に、建設現場や港湾などで機械の無人運転に向けた取り組みが進む中、厚生労働省は、こうした動きを踏まえた安全確保の考え方や必要な措置を整理するため、専門家による検討の場を設け、議論を進めています。 検討は2025年から始まり、2026年に入っても継続しています。 これまでの労働安全衛生法に基づく安全対策は、人が機械を操作することや、柵などによって人と機械を物理的に隔てることを基本に組み立てられてきました。 しかし、無人運転を前提とした機械が現場で稼働するようになると、従来の「隔離」という考え方だけでは整理しきれないリスクが生じ得ます。 たとえば、立ち入り管理の方法、機械の動作範囲の設定、異常時の停止や退避の仕組みなど、運用面を含めて再点検が必要になります。 検討で焦点となるのは、無人運転の機械が現場で動くことを前提に、どのような安全機能と管理ルールを組み合わせれば、労働災害のリスクを実効的に下げられるかという点です。 機械が周囲の状況を検知し、必要に応じて停止したり回避したりする仕組みを備えていても、センサーの精度や検知範囲、故障
Takashi Fukunaga
1月26日読了時間: 2分


「子ども・子育て支援金」徴収開始へ――家計にどう影響するか、押さえておきたい見通し
少子化対策の強化を目的とする「子ども・子育て支援金」について、2026年度から公的医療保険の仕組みを通じて負担を求める制度が始まる見込みです。 子育て世帯に限らず、独身の方や高齢者の方を含め、公的医療保険の加入者が広く負担を分かち合う「社会連帯」の考え方に立つ仕組みとされています。 徴収は、健康保険料や国民健康保険料などに上乗せされる形になるとされており、被用者保険(会社員の健康保険など)では、通常の保険料のタイミングから考えると、2026年4月分の保険料が給与から控除される場合、実感としては5月支給の給与明細で変化を見やすい可能性があります。 一方で、国民健康保険や後期高齢者医療については、保険料(または保険料に準ずる負担)の賦課・徴収の時期が自治体や広域連合の運用により異なることもあるため、実際の反映時期はお住まいの地域の通知で確認するのが確実です。 制度は段階的に拡大していく構想が示されており、初年度は総額で約6,000億円規模から始まり、数年かけて1兆円規模へ広がる見通しが語られています。 このため、家計への影響も「ある年に急に大きく増え
Takashi Fukunaga
1月23日読了時間: 3分


年金分割の請求期限見直しで変わる離婚後の備え――「2年の壁」と手続きの注意点
離婚後の生活設計において、将来受け取る公的年金の額を左右する「年金分割」は重要な手続きです。 これまでは「離婚した日の翌日から2年以内」という請求期限が大きな壁になってきました。 一方で近年、この期限を「2年から5年へ延長する」方向で制度の見直しが進められており、運用面でも救済機能を強める流れが示されています。 離婚直後という時期は、住居の確保や仕事の再編、子どもの手続きなど、目先の生活を立て直すだけで精一杯になりがちです。 心身ともに疲弊している中で、年金事務所へ足を運び、必要書類を揃えて手続きを行うのは決して容易ではありません。 従来の短い期限では、正当な権利があっても、気づいたときには間に合わなかったというケースが生じ得ました。 期限が5年へ延びるとされることで、生活が落ち着き、将来の老後資金について冷静に考えられるようになってからでも、手続きに臨みやすくなることが期待されます。 この見直しの根底には、婚姻期間中の保険料の負担や生活の営みが、夫婦の共同の成果として捉えられるべきだという考え方があります。 特に、専業主婦(主夫)やパート労働な
Takashi Fukunaga
1月22日読了時間: 2分


原電子会社の過労自死提訴が問うもの――インフラ現場の長時間労働と安全配慮義務
2025年8月、日本原子力発電の子会社に勤務していた50代の男性社員の遺族が、過重労働と職場での不適切な対応が原因で男性が自死に追い込まれたとして、会社側を提訴した事案は、インフラ業界における労働環境の厳しさを浮き彫りにしています。 報道によれば、男性は子会社の東海支社に所属し、放射性廃棄物の処理業務の現場責任者として業務に従事していたとされています。 遺族側の主張(訴状等に基づく報道)では、男性は休日出勤を含む連続勤務が続き、2020年2月には12日間の連続勤務があったほか、翌3月にかけて1か月80時間を超える時間外労働があったとされています。 長時間労働が続けば、休息が奪われるだけでなく、判断力や回復力が低下し、精神的な不調を招くリスクが高まります。 この事案では、過重労働に加えて、職場での人間関係の悪化が大きな要素として指摘されています。 遺族側は、上司とのトラブルや不適切な言動があったことも含め、心理的負担が増大していったと主張しています。 長時間労働の下では、通常なら周囲に相談できる状況でも、疲労と孤立感が重なり、助けを求める行動そのも
Takashi Fukunaga
1月21日読了時間: 2分


自爆営業はパワハラになり得る――指針見直しで問われるノルマ管理のあり方
職場におけるパワーハラスメントの考え方は、時代の変化とともに、より明確で厳格な運用へと向かっています。 厚生労働省はパワハラ防止指針の見直しにあたり、従業員がノルマ達成などのために自社の製品やサービスを不本意に買い取らされる、いわゆる「自爆営業」について、一定の要件を満たす場合にパワーハラスメントに該当し得る行為として位置づける改正案を示しています。 自爆営業が指針上の整理として明確になることで、「個人の自発的な協力」と「組織による不当な圧力」の線引きを、より具体的に考える材料が増えることになります。 自爆営業は、古くから小売、郵便、保険など一部の業界で、半ば慣習のように見過ごされてきた側面があります。 しかし、自分の給与を削ってまで自社製品を購入し、見かけ上の売上を作る行為は、本来の健全な経済活動とはかけ離れています。 こうした不健全なノルマ管理が、生活を圧迫し、精神的な健康を損ない得る問題であることを、職場のハラスメントという観点から整理し直す動きが進んでいると言えます。 もっとも、指針に明記されるからといって、自爆営業に関するすべての場面が
Takashi Fukunaga
1月20日読了時間: 3分


国保の納付状況が在留審査へ――2027年開始に向けた「見える化」と実務の注意点
日本で暮らす外国人住民の方々にとって、在留資格の維持は生活の根幹に関わる最優先事項です。 その在留審査に関して、国民健康保険(国保)の保険料の納付状況を、更新や変更の審査で活用していく仕組みづくりが進められています。 これまで国保の納付情報は自治体ごとに管理され、入管の審査と直結しにくい面がありました。 今後は、システム改修を通じて、国保の収納情報等を入管庁に連携し、在留審査時に活用できるようにする方針が示されています。 開始時期としては、令和9年6月(2027年6月)からの運用開始に向けて準備が進んでいる、という整理です。 あわせて、納付を求める動きはすでに前倒しで進みつつあります。 報道では、海外からの転入者を対象に、自治体の判断で最大1年分の保険料を一括で前払いしてもらう仕組みを、2026年4月から導入可能とする方向が伝えられています。 この方針の背景には、持続可能な社会保障制度の維持と、日本人を含めた全ての住民の間での公平性を確保するという目的があります。 国保の保険料を納めないまま在留を続ける、あるいは納付の働きかけに応じない場合に、在
Takashi Fukunaga
1月19日読了時間: 2分


法定休日の「特定」で変わる実務――割増賃金と勤怠運用のリスクを減らす
労働環境の透明化が進む中で、法定休日をあらかじめ「特定」しておくべきだという方向性が強まっていることは、一見すると事務的な話に見えますが、実は現場の働き方や給与計算に直結する重要な論点です。 現在、多くの企業では週休2日制が定着していますが、法律で定められた「週に1日」の法定休日が具体的にどの日を指すのかを、就業規則等で明確に定めていないケースも少なくありません。 土曜日と日曜日のどちらが法定休日なのかが曖昧なままだと、休日出勤が発生した際の割増賃金の判断や勤怠処理が複雑になり、意図しない未払い賃金や運用トラブルにつながりやすい、という背景があります。 法定休日をあらかじめ特定しておく最大のメリットは、労使双方にとっての「予測可能性」が高まることです。 労働基準法では、法定休日に労働させた場合、35%以上の割増賃金を支払う必要があります。 そのため、どの日が法定休日なのかが明確であれば、休日労働の割増判断や給与計算のミスを未然に防ぎやすくなります。 また、働く側にとっても、自分の休日がどのように扱われるのかが明確になり、権利関係の見通しが立ちやす
Takashi Fukunaga
1月16日読了時間: 3分


無形資産への投資で実現する「スマートな生産性向上」
労働生産性の向上と聞くと、つい国全体の経済指標や国際競争力といった大きな話を連想しがちですが、その本質はもっと身近な、日々の仕事の進め方や職場の環境の中にあります。 今の時代、単に働く時間を長くしたり、人手を増やしたりするだけでは、生み出せる付加価値には限界が見えています。 そこで重要になるのが、工場や機械といった目に見える設備ではなく、目に見えない「無形資産」への投資です。 無形資産には研究開発やブランド、知的財産など幅広い要素が含まれますが、ここでは特に、従業員一人ひとりのスキルアップや、日常的に使うソフトウェアの使い勝手、そして社内の風通しの良さや情報共有の仕組みといった、現場の「地力」を底上げする取り組みを指します。 例えば、最新のデジタルツールを導入したとしても、それを使いこなすための教育や、今の業務フローに合わせた細かな調整を怠れば、宝の持ち腐れになってしまいます。 ツールという形あるもの以上に、それを活用する人の習熟度や、無駄な手続きを省くための組織的な工夫といった目に見えない資産こそが、実質的な生産性を左右するのです。...
Takashi Fukunaga
1月15日読了時間: 3分


多様化する働き方に応える――2026年の雇用管理は「柔軟性」が鍵
2026年を迎え、私たちの働く環境はかつてないほどのスピードで変化を続けています。 かつてのような画一的なキャリア観は薄れ、一人ひとりが自身のライフスタイルや価値観、そして人生のステージに合わせて働き方を選択する流れが一層強まっています。 労働力不足が慢性化する中で、企業が持続的に成長していくためには、こうした多様化する就業意識を正しく理解し、それに応えるための柔軟な雇用管理を構築することが、重要な経営課題となっています。 現代の働く人々が求める「働きやすさ」の中身は、多層的です。 育児や介護といった家庭の事情との両立はもちろんのこと、副業を通じた自己実現や、リスキリングのための時間の確保、あるいは自身のメンタルヘルスや体調に合わせた緩やかな働き方など、そのニーズは多岐にわたります。 これまでの「決まった時間に、決まった場所へ集まる」という固定的な労働モデルだけでは、採用競争上不利になりやすく、定着の面でも課題が生じやすいのが実情です。 こうした状況下で企業に求められるのは、従来の就業規則の枠組みを超えた、一人ひとりに寄り添う制度設計です。...
Takashi Fukunaga
1月14日読了時間: 3分


企業年金の「見える化」が進む――事業報告の電子化と情報開示のこれから
厚生労働省は、企業年金制度の透明性を高め、加入者や求職者が制度の内容を比較検討しやすくする「見える化」を推進しています。 その一環として、確定給付企業年金(DB)については、事業及び決算に関する報告書の提出方法を見直し、オンライン提出を原則とする方向が示されています。 制度上は、令和9年6月1日以降を決算日とする報告書からオンライン提出が求められる整理です。 一方で、確定拠出年金(企業型DC)については、すでに業務報告の電子的な提出が運用されています。 そのため、制度によってデジタル化の進捗や位置づけが異なる点には留意が必要です。 この改革の背景には、人的資本経営への関心の高まりがあります。 企業年金は従業員にとって重要な資産形成の手段であり、企業にとっては採用・定着の面で大きな付加価値となります。 報告情報がデジタルで扱いやすくなることで、制度の姿が見えやすくなり、企業年金の位置づけがこれまで以上に意識される場面が増えていくでしょう。 また、厚生労働省は、報告書に記載される事項のうち一定の情報について、開示の方法や項目を検討しながら整備していく
Takashi Fukunaga
1月13日読了時間: 2分


在留外国人の過去最高更新と企業実務――社会保険・労務管理で押さえるポイント
出入国在留管理庁の公表資料によれば、日本国内に在留する外国人の数は、2025年6月末時点で395万6,619人となり、過去最高を更新しました。 日本の総人口が減少を続ける中で、在留外国人が占める割合は着実に高まり、労働市場や地域社会を支える存在としての重要性が一段と増しています。 特に、人手不足が深刻な建設、介護、製造業などの現場では、就労目的の在留資格で働く方々の存在感が高まっています。 在留資格別の統計を見ても、「技術・人文知識・国際業務」など一定の規模を持つ区分があり、受入れの裾野が広がっていることがうかがえます。 外国人労働者の受け入れが進む中で、企業実務としてまず正しく理解しておくべきなのが社会保険の適用ルールです。 日本の社会保険制度は国籍を問わず、加入要件を満たす労働者に適用されます。 正社員と同様の勤務形態で働く場合はもちろん、パート等でも「正社員の所定労働時間・日数のおおむね4分の3以上」であれば、健康保険・厚生年金の適用対象となります。 さらに、いわゆる短時間労働者の適用拡大では、2024年10月から従業員数51人以上の事業所
Takashi Fukunaga
1月9日読了時間: 3分


国民年金の産前産後免除と前納保険料の還付――第1号被保険者が押さえる実務ポイント
国民年金の第1号被保険者である自営業者やフリーランスの方を対象とした、産前産後期間の保険料免除制度では、すでに前納した保険料の取扱いが実務上の重要ポイントになります。 この制度は次世代育成支援の観点から設けられており、出産予定日または出産日の属する月の前月から4か月間、国民年金保険料が免除されます。 多胎妊娠の場合は、出産予定日等の3か月前から6か月間が対象となります。 この免除期間は単なる未納とは異なり、将来の老齢基礎年金の計算上「保険料を全額納付した期間」として扱われます。 国民年金保険料は前納により割引が受けられますが、前納した期間の中に産前産後免除期間が含まれる場合、免除期間に該当する定額保険料は「過誤納」となり、原則として還付の対象になります。 ただし、未納期間があるときは、過誤納金が未納分に充当されたうえで、残額が還付される取扱いとなることがあります。 手続きとしては、原則として住民登録のある市区町村の国民年金担当窓口に「産前産後期間の免除届」を提出します。 届出は出産予定日の6か月前から可能で、出産後に届出することもできます。...
Takashi Fukunaga
1月8日読了時間: 2分


「130万円の壁」事業主証明の特例が恒久化へ――被扶養者認定の実務で押さえるポイント
健康保険の被扶養者認定において、パートタイム労働者などが直面しやすい「年収130万円の壁」への対応として運用されてきた「事業主証明による特例措置」について、厚生労働省は恒久的な取扱いとする旨を示しました。 この特例は、人手不足への対応などにより一時的に収入が増え、扶養認定の収入基準(原則130万円未満、60歳以上等は180万円未満)を上回る見込みとなった場合でも、その増額が一時的な事情によるものだと事業主が証明できるときは、直ちに被扶養者認定を外すのではなく、保険者が事情を踏まえて扶養継続を判断し得る、という考え方です。 ここで大切なのは、「事業主が証明すれば必ず扶養が維持できる」という仕組みではない点です。 実務上は、事業主証明に加え、雇用契約書や賃金台帳などの資料も踏まえ、保険者が“本当に一時的か”を確認して総合判断する建付けです。 また、運用ルールとしてよく参照されるのが「連続2回まで」という上限です。 同一の方について、事業主証明によって一時的な収入変動であることを確認する取扱いは、原則として連続2回までとされています。...
Takashi Fukunaga
1月7日読了時間: 2分


社会インフラを支える現場の人材確保――処遇改善と労務費転嫁がカギ
私たちの生活に欠かせない物流、建設、交通、電力といった社会インフラを支える現場で、人材確保の難しさが深刻な課題となっています。 少子高齢化による労働力不足が社会全体で進む中、特に生活基盤の維持に直結するこれらの業種では、従事者の高齢化と若年入職者の減少が同時に進行しており、持続可能な運営が危ぶまれる状況にあります。 これまで社会インフラの現場は、担い手の使命感や「やりがい」に依存する側面が少なくありませんでしたが、労働市場の流動化が進む現在、それだけでは人材を引き留めることが難しくなっています。 人材確保の決定的な鍵を握るのは、賃金水準の向上や労働時間の短縮、福利厚生の充実といった実質的な処遇の改善です。 特に、2024年4月から適用が本格化した時間外労働の上限規制、いわゆる「2024年問題」は、建設業や運送分野を中心に長時間労働の是正を促す大きな契機となりました。 ただし、上限規制の適用のされ方は業種によって整理が異なるため、実務では自社の業務区分に応じた正確な理解が欠かせません。 また、単に労働時間を短縮するだけでは、結果として手取り額の減少
Takashi Fukunaga
1月6日読了時間: 2分
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