年金分割の請求期限見直しで変わる離婚後の備え――「2年の壁」と手続きの注意点
- Takashi Fukunaga
- 1月22日
- 読了時間: 2分
離婚後の生活設計において、将来受け取る公的年金の額を左右する「年金分割」は重要な手続きです。
これまでは「離婚した日の翌日から2年以内」という請求期限が大きな壁になってきました。
一方で近年、この期限を「2年から5年へ延長する」方向で制度の見直しが進められており、運用面でも救済機能を強める流れが示されています。
離婚直後という時期は、住居の確保や仕事の再編、子どもの手続きなど、目先の生活を立て直すだけで精一杯になりがちです。
心身ともに疲弊している中で、年金事務所へ足を運び、必要書類を揃えて手続きを行うのは決して容易ではありません。
従来の短い期限では、正当な権利があっても、気づいたときには間に合わなかったというケースが生じ得ました。
期限が5年へ延びるとされることで、生活が落ち着き、将来の老後資金について冷静に考えられるようになってからでも、手続きに臨みやすくなることが期待されます。
この見直しの根底には、婚姻期間中の保険料の負担や生活の営みが、夫婦の共同の成果として捉えられるべきだという考え方があります。
特に、専業主婦(主夫)やパート労働などで自身の年金受給額が伸びにくい立場にある場合、年金分割は老後の自立を支える手段となり得ます。
相手方との関係が悪化して直接の交渉が難しい場合や、接触を避けざるを得ない事情がある場合でも、時間的な猶予が長くなることで、専門家を介した協議や調停の準備を整えやすくなる面があります。
ただし、期限が延長されるとされる場合でも、手続きを不必要に先延ばしにすることには注意が必要です。
時間の経過によって事情が複雑化したり、必要書類の手配に手間がかかったりする場面も想定されます。
理想としては、生活が安定し次第、年金事務所等で「年金分割のための情報通知書」を取得し、分割の対象となる記録や将来見込みの確認を進めておくことが望ましいでしょう。
なお、期限の取扱いは、制度改正の施行時期や経過措置の有無により、対象となるケースが分かれる可能性があります。
そのため、具体的な期限については、手続きを検討する時点で最新の案内を確認した上で進めることが安心です。
今回の請求期限の見直しは、離婚後の再出発を図る人々にとって、将来の不安を軽減する方向の重要な整備と言えます。
目に見えない将来の資産であるからこそ、制度の動きを正しく捉え、与えられる猶予を生かして、自身の権利を確保することが大切です。

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