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お知らせ一覧


はじめての労務管理:労働条件の『最低基準』という考え方と就業規則・労働契約の関係
固定残業代や労働時間、年休など個別テーマに入る前提として、「そもそも労働基準法は会社に何を求めているのか」「就業規則や労働契約とどう関係するのか」を押さえておくと、実務判断がしやすくなります。 まず、労働基準法は「労働条件の最低基準」を定める法律である、という位置づけが大前提になります。 最低基準というのは、労使がどのような合意をしていても、ここより悪い条件にはできない、という“土台”のラインです。 したがって、例えば法定労働時間を超える所定労働時間を労働契約書で定めたり、最低賃金を下回る賃金額を合意しても、その部分は無効となり、法律上の基準で置き換えられます。 これを学説上「最低基準効」と呼び、強行的に法が優先するイメージで捉えると分かりやすいかと思います。 この最低基準効は、労働契約だけでなく、就業規則や労使協定にも同様に作用します。 例えば、就業規則で「所定労働時間は1日9時間、週45時間とする」と定めても、法定労働時間は1日8時間・週40時間ですので、超える部分は法定の時間外労働となり、36協定がなければ違法な時間外労働として扱われます。
Takashi Fukunaga
2 時間前読了時間: 5分


はじめての労務管理:残業代の基本と「固定残業代(みなし残業)」の押さえどころ
本日は、これまで整理してきた「労働時間の原則」「36協定」「労働時間の実態把握」といった“時間管理”の話から一歩進んで、その結果として必ず問題になる「残業代」の基本、とくにトラブルになりやすい「固定残業代(みなし残業代)」について、ポイントを整理したいと思います。 前提となるのは、労働基準法が「1日8時間・1週40時間」を法定労働時間とし、これを超える時間外労働、法定休日労働、深夜労働については、それぞれ法定以上の割増賃金を支払う義務を定めているという点です。 時間外は25%以上(中小企業でも月60時間超部分は将来的に50%以上)、法定休日労働は35%以上、深夜労働は一律25%以上の割増率が必要となり、時間外と深夜が重なれば率も加算されます。 残業代の計算は「①割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金額」を算出し、「②対象となる時間数」に「③法定以上の割増率」を乗じる、という順番で考えると整理しやすくなります。 このとき、「割増賃金の基礎に算入するかどうか」が問題になる手当についても、あらかじめ整理しておくことが重要です。 家族手当・通勤手当・別居
Takashi Fukunaga
3 日前読了時間: 3分


はじめての労務管理:年次有給休暇の付与と管理の基本ポイント
年次有給休暇は、労働時間や36協定と並んで監督署調査・個別トラブルともに頻出のテーマです。 とくに最近は「年5日の時季指定義務」や、パート・有期契約社員への付与ルールなど、実務で迷いやすいポイントが多く、労務担当として基本を一度整理しておくことが重要です。 まず前提として、年休は「6か月継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した労働者」に対して付与するものです。 ここでいう「労働者」には、所定労働時間が短いパート・アルバイトや有期契約社員も含まれます。 週所定労働日数や所定労働時間が少ない場合には付与日数が比例的に少なくなる制度(比例付与)が認められており、この点を正しく押さえておかないと「パートには年休がない」という誤った運用になりかねません。 次に、時季指定義務のポイントです。 年10日以上の年休が付与される労働者については、使用者が「1年あたり5日」について、本人の希望も聴きながら時季を指定して取得させる義務があります。 本人が自発的に5日以上取得していれば追加の指定は不要ですが、取得状況を把握せずに放置していると、義務違反と評価され
Takashi Fukunaga
4 日前読了時間: 3分


はじめての労務管理:労働時間の「実態把握」と36協定運用のつなぎ方
本日は、これまで整理してきた「36協定の基本」「36協定締結状況の社内チェック」「過半数代表者の選出手続き」といった“枠組み”の話から一歩進んで、日々の労働時間管理と36協定の運用をどのようにつなげていくか、という視点で整理してみたいと思います。 前回までにご確認いただいたとおり、36協定は、法定労働時間(1日8時間・週40時間)や法定休日を超えて働かせるための「前提条件」に過ぎません。 協定書の体裁が整っていても、実際の所定外労働・法定外労働・法定休日労働の時間数が、協定で定めた上限や法定の上限規制(月45時間・年360時間、特別条項付きでも年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間以内等)を超えていれば、その時点で法令違反となり得ます。 このとき重要になるのが、「労働時間の実態をどれだけ正確に把握できているか」です。 労働時間とは、就業規則や雇用契約上の書きぶりではなく、「使用者の指揮命令下にある時間」「使用者の明示・黙示の指示により業務に従事している時間」を指し、実際に働いた時間を一方的に「残業時間とは認めない」と扱うことはできま
Takashi Fukunaga
5 日前読了時間: 3分


はじめての労務管理:36協定チェックと「過半数代表者」選出の実務ポイント
本日は、「36協定の締結状況を社内で確認する際のチェックポイント」と「あわせて押さえておきたい過半数代表者(従業員代表)選出の実務上の留意点」について整理します。 いずれも形式面の不備があると、協定そのものが無効と評価されかねない部分ですので、労務担当として一度体系的に見直しておくことが重要です。 まず36協定の社内チェックですが、最初に確認したいのは「事業場ごとに、現在有効な協定が存在し、労基署に届出されているか」という点です。 協定書だけが社内にあり届出をしていないケース、逆に届出控えだけが残っていて労使協定書が行方不明になっているケースも散見されます。 有効期間が切れていないか、対象とする事業場と労働者の範囲が実態と合っているかもあわせて確認が必要です。 協定で定めた時間外・休日労働の上限が、月45時間・年360時間(特別条項付きでも年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間以内、月45時間超は年6か月以内)といった法定上限と整合しているかも必ず押さえます。 届出様式のチェック欄の漏れや、法定休日労働の記載抜けなど、書式上の不備に
Takashi Fukunaga
6 日前読了時間: 3分


はじめての労務管理:36協定と「時間外労働」の基本を押さえる
本日は、前回お伝えした「1日8時間・1週40時間」という法定労働時間の原則を踏まえつつ、それを超えて時間外労働・休日労働をさせる際に必ず押さえておきたい「36協定」の基本について整理します。 まず確認したいのは、法定労働時間や法定休日を超えて労働させる場合、労働基準法上は「36協定(時間外・休日労働に関する協定)」の締結と所轄労働基準監督署への届出が義務付けられているという点です。 この手続をしていない状態で残業や法定休日労働をさせると、それだけで法令違反となり得ます。 36協定は、会社が一方的に決めることはできず、事業場の過半数労働組合、または労働者の過半数代表者と書面で協定を結ぶ必要があります。 この「過半数代表者」は、管理監督者を除く労働者からの投票・挙手等により選出することが求められ、会社側が指名する形で形式的に選任することは適切ではありません。 協定書には、時間外労働・休日労働をさせることができる「業務の範囲」と「限度時間」を具体的に定める必要があります。 単に「業務多忙のとき」などの包括的・抽象的な書き方ではなく、繁忙期対応、機械のト
Takashi Fukunaga
4月13日読了時間: 3分


はじめての労務管理:労働時間の「原則」を正しく押さえる
本日は、労務管理の中でも特にトラブルになりやすい「労働時間」の原則について整理します。 労働時間に関するルールは、残業代の支払いだけでなく、健康管理や生産性にも直結する重要なテーマです。 まずは、労働基準法が定める「基本ライン」を押さえておくことが、実務対応の出発点となります。 労働基準法では、原則として「1日8時間・1週40時間」を超えて労働させてはならないと定められています。 この時間を「法定労働時間」と呼び、雇用契約を締結する際にも、法定労働時間を超える所定労働時間を一方的に設定することはできません。 仮に1日9時間、週50時間といった前提で契約を結んだとしても、その「法定時間を超える部分」は時間外労働として扱われ、適切な手続と割増賃金の支払いが必要になります。 ここで注意したいのは、「会社で決めた所定労働時間」と「法律で決められた法定労働時間」は必ずしも一致しないという点です。 例えば「9時から18時まで休憩1時間」の場合、所定労働時間は1日8時間となり、法定労働時間の範囲内です。 一方、「9時から19時まで休憩1時間」とすると、所定労働
Takashi Fukunaga
4月10日読了時間: 2分


はじめての労務管理:「労働基準法」は何を守ってくれる法律か
本日から、企業の労務管理や社会保険に関するポイントを、1テーマずつコンパクトにお伝えしていきます。 初回の今日は、すべての労務管理の土台となる「労働基準法」の意義と性格について整理してみます。 労務担当者としてまず押さえておきたいのは、「労働基準法は労働条件の“最低基準”を定めた法律である」という点です。 条文上も、労働条件は「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきもの」とされており、この最低ラインを下回る契約や就業規則は無効となります。 したがって、就業規則や雇用契約書を検討する際には、「自社ルールが法定基準を上回っているか」という視点が欠かせません。 もう一つ重要なのは、労働基準法が複数の顔を持つということです。 第一に、行政が企業を指導・監督するための「行政取締法規」としての性格があります。 労働基準監督署による是正勧告や指導は、この機能に基づいて行われます。 第二に、違反した場合には罰則が科され得る「刑罰法規」としての側面もあります。 例えば、法定時間外割増を支払わない、労働時間の上限規制を無視するといった行為は、単なる“
Takashi Fukunaga
4月9日読了時間: 3分


がんを抱える従業員から相談を受けたとき、産業保健職が大切にしたいこと
2026年4月から、治療と就業の両立支援は事業主の努力義務になりました。 その中で、産業医や産業看護職、保健師などの産業保健職に求められる役割は、単に健康状態を確認することだけではありません。 本人の思いを受け止めながら、治療と仕事の両方が続けられる道を一緒に探していくことが、いっそう大切になっています。 相談の入り口でまず大切なのは、答えを急がないことです。 がんの告知を受けた直後は、本人の頭の中も気持ちも整理がついていないことが少なくありません。 制度や手続をすぐに並べるより先に、安心して話せる場をつくり、何に不安を感じているのかを丁寧に受け止めることが、その後の支援の土台になります。 その際に忘れてはいけないのが、情報の扱いです。 治療と仕事の両立支援では、主治医や会社、人事労務担当者、産業医などが連携することがありますが、情報共有は本人の同意を得たうえで、必要な範囲に限って行うことが基本です。 「話したことがどこまで共有されるのか」が曖昧なままだと、本人は本音を話しにくくなります。 最初の面談で、情報共有の範囲や進め方を分かりやすく伝えて
Takashi Fukunaga
4月8日読了時間: 3分


2026年4月から雇用保険料率が引き下げに。給与明細で確認したいポイント。
2026年4月から、雇用保険料率が引き下げられます。 一般の事業では、前年度の14.5/1,000から13.5/1,000へ下がります。 労働者負担は5.5/1,000から5/1,000へ、事業主負担は9/1,000から8.5/1,000へ見直されます。 月収30万円の方で見ると、本人負担はこれまでの1,650円から1,500円になります。 差額は月150円、年間では1,800円です。 大きな額ではなくても、毎月の積み重ねとしては見逃せない変化です。 今回の引下げの背景には、雇用保険財政の持ち直しがあります。 厚生労働省は、令和6年度決算を踏まえた弾力倍率が2を超えていることや、足元の受給者実人員の増加も見ながら、安定的な財政運営と保険料負担の軽減を両立させる考え方を示しています。 企業側にとっても、法定福利費の負担が少し軽くなることになります。 人手不足や賃上げ対応が続く中では、この小さな負担減も無視できません。 働く側にとっても、4月以降の給与明細で変化を実感しやすい見直しといえそうです。 なお、ここでいう料率は一般の事業のものです。...
Takashi Fukunaga
4月7日読了時間: 1分
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