国保の納付状況が在留審査へ――2027年開始に向けた「見える化」と実務の注意点
- Takashi Fukunaga
- 1月19日
- 読了時間: 2分
日本で暮らす外国人住民の方々にとって、在留資格の維持は生活の根幹に関わる最優先事項です。
その在留審査に関して、国民健康保険(国保)の保険料の納付状況を、更新や変更の審査で活用していく仕組みづくりが進められています。
これまで国保の納付情報は自治体ごとに管理され、入管の審査と直結しにくい面がありました。
今後は、システム改修を通じて、国保の収納情報等を入管庁に連携し、在留審査時に活用できるようにする方針が示されています。
開始時期としては、令和9年6月(2027年6月)からの運用開始に向けて準備が進んでいる、という整理です。
あわせて、納付を求める動きはすでに前倒しで進みつつあります。
報道では、海外からの転入者を対象に、自治体の判断で最大1年分の保険料を一括で前払いしてもらう仕組みを、2026年4月から導入可能とする方向が伝えられています。
この方針の背景には、持続可能な社会保障制度の維持と、日本人を含めた全ての住民の間での公平性を確保するという目的があります。
国保の保険料を納めないまま在留を続ける、あるいは納付の働きかけに応じない場合に、在留資格の更新等が厳格に扱われる方向性が示されており、保険料の支払いはこれまで以上に重要性を増しています。
一方で、経済的な事情や急な環境変化で支払いが難しくなることもあります。
この点で重要なのは、未納をただ摘発するという話に終わらせず、減免や分割などの制度・相談体制を適切に周知し、早期に手当てできるようにすることです。
多くの自治体には所得等に応じた減免の仕組みがあり、困ったときは早めに窓口へ相談することが、結果として在留上のリスクを避けることにもつながります。
また、永住者の資格に関しても、公的義務の履行をめぐる見直しが議論されており、「故意に公租公課(税・社会保険料など)の支払をしないこと」に関する考え方が整理されています。
ただし、未納があるという事実だけで直ちに結論が決まるというよりも、故意性や経緯、対応状況などが問題となる領域であり、誠実な対応と記録の確保が大切になります。
結局のところ、この仕組みは、日本社会の一員として権利を享受すると同時に義務を果たす、という関係性をより明確にしていく動きです。
ルールの透明性が高まるほど、誤解や不安も生まれやすくなります。
行政側には多言語を含む丁寧な情報提供が求められ、住民側も納付状況を把握し、支払いが難しいときは早めに相談することが、これまで以上に重要になります。

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