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在留外国人の過去最高更新と企業実務――社会保険・労務管理で押さえるポイント

  • Takashi Fukunaga
  • 6 日前
  • 読了時間: 3分

出入国在留管理庁の公表資料によれば、日本国内に在留する外国人の数は、2025年6月末時点で395万6,619人となり、過去最高を更新しました。

日本の総人口が減少を続ける中で、在留外国人が占める割合は着実に高まり、労働市場や地域社会を支える存在としての重要性が一段と増しています。


特に、人手不足が深刻な建設、介護、製造業などの現場では、就労目的の在留資格で働く方々の存在感が高まっています。

在留資格別の統計を見ても、「技術・人文知識・国際業務」など一定の規模を持つ区分があり、受入れの裾野が広がっていることがうかがえます。


外国人労働者の受け入れが進む中で、企業実務としてまず正しく理解しておくべきなのが社会保険の適用ルールです。

日本の社会保険制度は国籍を問わず、加入要件を満たす労働者に適用されます。

正社員と同様の勤務形態で働く場合はもちろん、パート等でも「正社員の所定労働時間・日数のおおむね4分の3以上」であれば、健康保険・厚生年金の適用対象となります。


さらに、いわゆる短時間労働者の適用拡大では、2024年10月から従業員数51人以上の事業所で働く方も対象に含まれました。

この場合、週20時間以上に加えて、所定内賃金月額8.8万円以上、雇用見込み、学生でないこと等の要件を満たすかどうかで判断します。

雇用形態や在留資格の名称ではなく、実態として要件に当てはまるかを確認する運用が重要です。


あわせて、労働基準法をはじめとする労働関係法令が、原則として外国人労働者にも日本人と同様に適用される点も押さえておきたいところです。

国籍を理由とした差別的な取り扱いは認められず、最低賃金の遵守や労働時間管理、割増賃金の支払いなど、基本的なルールは共通です。

また、業務中や通勤途上の災害については、雇用される「労働者」であれば国籍を問わず労災保険の対象となります。


さらに、一定期間日本で働き、将来的に帰国を予定している方にとっては、厚生年金保険等の脱退一時金の説明も実務上欠かせません。

脱退一時金は支給要件を満たす場合に請求できる制度で、出国後2年以内に請求が必要です。

「掛け捨て」にならないよう制度を案内することは、本人の納得感につながり、採用・定着の面でもプラスに働きます。


395万人超という過去最高の数字は、外国人が「一時的な補完要員」ではなく、共に社会を支えるパートナーになっている現実を示しています。

企業には、採用だけでなく、社会保険・労務管理の基本を言語や文化の壁を越えて丁寧に伝え、安心して働ける環境を整えることが、これまで以上に求められています。

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