離職票の電子交付が現実に――マイナポータル受け取りで手続きはどう変わるか
- Takashi Fukunaga
- 1月5日
- 読了時間: 2分
雇用保険の離職票について、電子交付の利用が少しずつ広がっています。
厚生労働省の公表資料によれば、離職票をマイナポータルで受け取れる仕組みの運用開始(2025年1月20日)から2025年8月末までの累計で、電子交付の件数は7万5,005件に達しました。
従来の離職手続きは、ハローワークから交付された紙の離職票を事業主が受け取り、さらに離職者本人へ郵送するという、時間と手間のかかる流れが一般的でした。
これに対し、一定の要件を満たす場合には、ハローワークでの処理後、離職票等が離職者本人のマイナポータルへ送信され、本人がオンラインで受け取れるようになります。
その結果、事業主が離職票を受け取って本人へ送付する作業が不要となり、離職者側も必要書類をより早く手にできる可能性が高まります。
この電子交付の導入は、企業実務のコストと時間の削減に寄与します。
紙のやり取りが減ることで郵送費が抑えられ、書類の到着待ちや再送付といったロスも小さくなります。
離職者にとっても、離職後の手続きを開始するタイミングを早めやすくなる点がメリットです。
一方で、累計7万5千件という数字は、離職手続き全体から見ればまだ一部にとどまっており、普及には伸びしろがあります。
電子交付の前提として、離職者本人側の準備が必要であり、マイナポータルの利用環境や連携設定が整っていない場合には、従来どおり紙での交付となります。
企業側も、離職手続きを電子申請で行うことが実務上の前提となるため、社内の手続フローや担当者の運用体制を整える必要があります。
また、デジタルツールの操作に慣れていない離職者への配慮や、個人情報を含むデータの管理ルールの整備など、現場での課題も残ります。
ただ、行政手続きのデジタル化が進む中で、離職手続きのペーパーレス化は避けて通れないテーマになっています。
今後の事務負担の軽減や、離職後のセーフティネットへの円滑な接続を考えると、離職票の電子交付は標準的な手法として定着していくことが見込まれます。
企業においては、単なる効率化にとどまらず、離職する従業員の利便性を高める環境整備として、この流れを捉え直すことが重要ではないでしょうか。

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