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労働保険の年度更新、電子申請はまだ3割。いま「紙から抜け出す」意味

  • Takashi Fukunaga
  • 3 時間前
  • 読了時間: 2分

毎年夏にやってくる労働保険の年度更新ですが、電子申請の利用が思ったほど広がっていないことに、意外さを感じる方も多いかもしれません。

厚生労働省が公表している「オンライン利用率引上げに係る基本計画」では、労働保険関係の対象手続(計画で定めた3手続合計)のオンライン利用率が、令和5年度時点でおよそ3割(31.41%)とされています。


行政のデジタル化やGビズIDの普及が進んでいる一方で、現場では「紙のほうが確実」「慣れているやり方が早い」という感覚が根強く残ります。

年度更新は計算や入力の手順に独特のクセがあり、しかも年に一度しか触れないため、担当者の心理的ハードルが上がりやすいのも現実です。

特に小規模事業所ほど、覚え直す負担を避けて、見慣れた申告書に書いて提出する選択がされがちです。


それでも、電子申請には紙にはない実務メリットがあります。

入力チェックや計算支援によってミスを減らしやすいこと。

窓口へ行ったり郵送の準備をしたりする手間が減り、時間を読みやすくなること。

控えの管理も含めて「提出までの一連の作業」を机の上で完結させやすいこと。

こうした利点は、労働局の案内でも電子申請のメリットとして整理されています。


また、電子申請は「いずれやる」ではなく「すでに義務の範囲がある」点も押さえておきたいところです。

資本金等が1億円を超える法人など、一定の法人は年度更新を電子申請で行うことが義務付けられています。


さらに、労働局の案内では、令和8年度の年度更新から電子申請義務化対象の法人には申告書(紙)の送付がなくなる、と明記されています。

義務化の対象でない事業所にとっても、「紙が来るから紙で出す」という流れが、今後は当たり前ではなくなる可能性があります。


電子申請に踏み出す一番のコツは、完璧を目指さないことです。

最初の年は、全社を一気に切り替えようとするより、入力の流れを一度なぞってみる。

控えの保存や社内の確認手順を、一度だけ整えておく。

その小さな準備が、翌年からの事務負担を確実に軽くします。


デジタルトランスフォーメーションという言葉を掲げなくても、年度更新は「一度慣れると戻りにくい」業務の代表格です。

今年の年度更新は、いつもの封筒を開ける前に、机の上で手続きを終える選択肢を、現実のものとして検討してみてもよい時期かもしれません。

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