【制度改正】出産費用の「保険適用」導入へ議論本格化、医療保険部会が改革案を検討
- Takashi Fukunaga
- 5 日前
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厚生労働省の社会保障審議会(医療保険部会)は、次期医療保険制度改革に向けた議論を行い、少子化対策の柱となる「出産費用の支援強化」について具体的な検討に入りました。
今回の部会で焦点となったのは、現在「出産育児一時金(50万円)」として現金給付されている仕組みを見直し、分娩にかかる費用そのものを公的医療保険の対象とする、あるいは「標準的な費用」を設定して現物給付化するといった改革案です。
正常分娩はこれまで「病気ではない」として保険適用の対象外でしたが、施設ごとに費用格差が広がっている現状や、一時金では賄いきれない自己負担の増加を背景に、制度の抜本的な見直しが急務とされています。
また、同部会では高齢者の窓口負担の見直しや、現役世代の保険料負担の軽減策についても併せて議論が行われており、全世代型社会保障への転換が加速しています。
この議論が進めば、将来的に企業の健康保険実務にも大きな影響を与えることは確実です。
例えば、出産手当金や一時金の申請手続きが簡素化される可能性がある一方で、保険料率への跳ね返りや、新たな負担構造の決定など、注視すべきポイントは多岐にわたります。
企業の人事労務担当者としては、これが単なる「個人の出産費用の話」ではなく、「社会保険料というコスト構造の変化」につながる話であることを理解しておく必要があります。
特に、現役世代の負担軽減がセットで議論されている点は重要であり、将来的な法定福利費の動向を予測する上でも、この審議会の議論を追っていく価値は十分にあります。
制度の詳細は来年の法案提出に向けて詰められますが、従業員のライフイベントに関わる重要な変更ですので、長期的な視点で情報のキャッチアップをしておきましょう。

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