スポットワーク時代のガバナンス――「直接雇用」の原則をどう守るか
- Takashi Fukunaga
- 11月27日
- 読了時間: 2分
副業やスキマバイトといった「スポットワーク」が一般化しつつあります。
社会保険研究所のインタビュー記事では、スポットワーク協会の後藤一重事務局長らが、「スポットワークは直接雇用」という原則を掲げながら、事業者自らがルールを作り、行政との対話を通じてガバナンスの枠組みを整えていく必要性を語っています。
スポットワークは、事業者からすると「一時的な戦力確保」、働き手からすると「時間と場所を選べる働き方」という魅力があります。
一方で、雇用か請負かが曖昧なまま運用されると、労働時間管理や安全配慮、社会保険の適用といった基本的な保護が置き去りになりかねません。
実務上も、「とりあえず業務委託で…」という判断が、後に偽装請負・名ばかりフリーランスと評価されるリスクをはらんでいます。
今回の記事が示すポイントは、こうした新しい働き方を規制だけで抑え込むのではなく、「事業者側の自主ルール」と「行政との対話」を通じて、実態に即したガバナンスを構築しようとしている点です。
スポットワーク協会が、労働時間管理や複数事業者間での情報連携のあり方などについて提言していることは、今後の制度設計にも影響を与える可能性があります。
「スポットワークを活用している(または今後活用したい)企業」に対して、
① 雇用形態の整理(本当に業務委託でよいのか)
② 労働時間・安全配慮などの基本ルールの明文化
③ 他社との兼業・副業と社会保険・税の位置づけ
といった観点での助言が求められそうです。
新しい働き方の潮流を踏まえたうえで、「原則は直接雇用」「保護すべき最低ラインはどこか」を一緒に設計していくことが、これからの肝になっていくでしょう。

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