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2026年5月に始まる「企業価値担保権」とは。会社の“事業そのもの”でお金を借りる時代へ。

  • Takashi Fukunaga
  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

2026年5月25日から、新しく「企業価値担保権」という仕組みが始まります。

これは、ざっくり言うと「会社が持っている土地や建物が少なくても、事業の力そのものを見て融資を受けやすくする」ための制度です。


これまでの融資は、担保といえば不動産、そして足りないときは経営者の個人保証、という形になりやすい面がありました。

でも、今の会社の強みは、目に見えるモノだけとは限りません。

たとえば、独自のノウハウ、技術、取引先との関係、ブランド、仕事の回し方、人が育っていること。

こうした「事業の強さ」をまとめて評価し、資金調達につなげやすくしよう、というのが企業価値担保権の考え方です。


特に、土地や建物をあまり持たないスタートアップや、これから後継者にバトンを渡したい中小企業にとっては、「会社の未来」を材料に資金調達を考えられる場面が増える、と期待されています。


ただし、この制度は「何かあったとき」の話もセットです。

もし返済ができなくなったとき、担保にしているのが“事業そのもの”なので、事業をバラバラに売るのではなく、できるだけ丸ごと引き継げる形(事業譲渡)で第三者に渡すのが基本、という考え方が示されています。


ここで心配になるのが「働く人はどうなるのか」です。

この点について、厚生労働省は「事業譲渡等指針」を一部改正して、雇用が不当に切り捨てられないようにする考え方を整理しています。

制度としては、事業を引き継ぐなら雇用もできるだけ守る、という方向が基本です。


ただし重要なのは、労働契約は勝手に移せないということです。

事業が譲渡される場合でも、労働契約を新しい会社へ引き継ぐには、対象となる労働者本人の同意が必要、と明記されています。

つまり「人が担保に取られる」ということではなく、「雇用を守って引き継ぐのが基本。でも、契約の移り方は本人の意思が前提」という整理です。


また、手続の中で選ばれる管財人(全体の手続きを動かす人)についても、労働者や労働組合などと事前に話し合いをすることが適当で、必要な情報提供に努める、という考え方が示されています。

現場が置き去りにならないように、「説明と相談のルートを作っておく」ことが大事だ、ということです。


さらに、未払い賃金や退職金などの労働債権については、事業の価値を損なわない観点から、優先的に支払う仕組みが説明されています。

働く人の生活が崩れれば事業は続かない、という現実を踏まえた設計だと言えます。


まとめると、企業価値担保権は「会社の実力でお金を借りやすくする」ための新しい道です。

そして同時に、もしものときも、事業と雇用をできるだけ守って引き継げるよう、国が指針を整えています。

制度を上手に使えれば、成長や事業承継の選択肢が増え、働く人にとっても「会社が急にバラバラになる」リスクを小さくできる可能性があります。

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