top of page

子ども・子育て支援金と「年間収入130万円」の見直し―5月時点で給与・扶養実務をどう整理しておくか―

  • Takashi Fukunaga
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

2026年4月から、「子ども・子育て支援金制度」と「健康保険の被扶養者認定における年間収入の取扱い変更」が同時に動き始めました。

いずれも給与計算・社会保険手続と密接に関わるテーマであり、4月は制度案内とシステム設定に追われたご担当者も多いかと思いますが、5月時点では一度立ち止まり、自社の運用が整理できているかを確認しておくことが重要です。


子ども・子育て支援金制度については、すべての医療保険の加入者から、新たに「支援金」が徴収される仕組みとしてスタートしました。

企業の被用者保険に加入している従業員については、標準報酬月額(賞与時は標準賞与額)に支援金率0.23%(2026年度)を乗じて支援金額を計算し、その半分を従業員負担分として健康保険料・介護保険料と合わせて控除する形となります。

4月分給与から控除が始まっていますので、5月支給分までの段階で、「支援金の控除項目名」「健康保険料との区分表示」「控除額の端数処理ルール」などが社内でブレていないかを確認しておくことが実務上のポイントになります。


一方、健康保険の被扶養者認定については、2026年4月から「年間収入」の考え方が見直されました。

これまで、残業代等も含めた実績ベースの年間収入見込額を重視していたため、130万円の壁を意識した就業調整が生じやすい状況がありましたが、今後は「労働契約で定められた賃金から見込まれる年間収入」を基準とし、予測が難しい残業代などは見込額に含めなくてよい取扱いが明確化されています。

具体的には、労働条件通知書等に記載されている基本給や所定の手当から算出した年間収入が130万円未満(高齢者等は180万円未満、19〜23歳の学生等は150万円未満)であり、他の収入が見込まれない場合には、その額を前提に扶養認定を行うことになります。


この被扶養者認定の見直しにより、たとえば「現在は年収110万円程度だが、繁忙期の残業で一時的に130万円を超える可能性がある」といったケースであっても、労働契約上の年間収入が130万円未満であれば、直ちに扶養から外さなければならない、という場面は減っていきます。

ただし、実際の年間収入が大きく変動し、契約内容自体を見直した場合には、その時点であらためて年間収入見込額を判定し直す必要がありますので、労働条件変更の際に「扶養認定への影響」をチェックする運用を、社内の手続きフローに組み込んでおくことが望ましい整理となります。


5月時点で人事・労務担当として確認しておきたいのは、第一に、給与計算システムや給与明細上で「支援金」が適切に反映されているかどうか、第二に、被扶養者異動届に添付する書類や社内チェック項目が、新しい年間収入の考え方(契約ベース)に沿った内容に更新されているかどうか、という二点です。

支援金については、従業員から「新しい控除は何か」「将来どのような施策に使われるのか」といった問い合わせが出やすいため、簡潔な社内向け説明資料やQ&Aの整備状況もあわせて確認しておくと、以後の個別対応がスムーズになります。


また、2026年4月は、子ども・子育て支援金・被扶養者認定の運用変更に加え、治療と仕事の両立支援の努力義務化や高年齢労働者の労災防止の努力義務化など、複数の改正が同時に動き出した時期でもあります。

5月から夏場にかけては、これらのうち「給与・社会保険」に直結するテーマ(支援金、扶養)と、「安全衛生・両立支援」に関するテーマとを切り分けて整理し、自社の年間実務カレンダー上でどの時期にどの見直しを進めるかを、部門内で共有しておくことが、結果としてミス防止と担当者の負荷軽減につながります。

コメント


bottom of page