top of page

【冬の労務管理】インフルエンザ等流行期の「出勤停止」と「休業手当」の判断基準

  • Takashi Fukunaga
  • 6 日前
  • 読了時間: 2分

12月に入り、気温の低下とともにインフルエンザや感染性胃腸炎といった感染症のリスクが高まる季節となりました。

企業の人事労務担当者として、従業員がこれらの感染症に罹患した場合の就業ルールの再確認をしておくことが極めて重要です。

現場でよくある相談として、「熱がある従業員に休むよう会社から命じた場合、休業手当の支払いは必要か」というものがあります。

原則として、インフルエンザ(5類感染症)などの場合、会社側が感染拡大防止のために「出勤しないでください」と業務命令として休ませるならば、労働基準法上の休業手当(平均賃金の6割以上)の支払いが必要となるケースが一般的です。

これは、就労可能な状態であるにもかかわらず、会社の都合(判断)で休ませたという扱いになるためです。

一方で、医師の指導により従業員自身が療養する場合や、本人が体調不良を申し出て休む場合は、通常の欠勤や、本人の希望による有給休暇の消化という処理になります。

後々のトラブルを避けるためには、就業規則において「感染症罹患時の取り扱い」や「出勤停止の要件」を明確に定めておくことが効果的です。

例えば、発熱等の症状がある場合は無理に出勤させず、テレワークへの切り替えや有給休暇の取得を推奨するなどの運用ルールを、今のうちに社内で周知しておくことも一つの手です。

また、職場内の安全配慮義務の観点から、アルコール消毒液の設置や定期的な換気の励行など、予防対策を講じることも企業に求められる責任と言えます。

年末の繁忙期に欠員が出ることは痛手ですが、無理な出勤による社内感染の拡大(クラスター化)は、さらに大きな経営リスクとなります。

「休む勇気」と「休ませる際の賃金ルール」を整理し、組織全体で健康管理に取り組む体制を整えていきましょう。

コメント


bottom of page