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ストレスチェック義務化拡大の前に確認しておきたいポイント―50人未満事業場も含めた「全社対応」を見据えて―

  • Takashi Fukunaga
  • 5 時間前
  • 読了時間: 3分

労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度は、これまで常時50人以上の労働者を使用する事業場にのみ実施義務が課されていましたが、2025年の法改正により、今後は50人未満の小規模事業場にも義務化されることが決まっています。

施行日は、2025年5月14日の公布日から3年以内に定められる政令の日とされており、現時点で具体的な年月日は確定していないものの、「いずれは全事業場が対象となる」方向性だけは明らかと言えます。


人事・労務担当者としては、「うちは本社が義務対象だから既に実施している」「小さな営業所には義務がない」という整理から、今後は「グループ全体・全事業場での運用をどう設計するか」に視点を広げておくことが求められます。

特に、従業員数が50人未満の支店・店舗・工場などが多い企業では、義務化のタイミングで一斉に対応を進めるよりも、今のうちから段階的に準備を始めておく方が、現場への負担や混乱を抑えやすくなります。


今回の改正では、従来どおり、医師・保健師等の実施者がストレスチェックを行い、高ストレスと判定された労働者から申出があった場合には、医師による面接指導を実施することが制度の柱となります。

50人未満事業場についても、制度の枠組みそのものは変わらず、「検査の実施」「医師面接指導」「就業上の措置検討」といった一連の流れが義務として求められることになります。

あわせて、国としては、小規模事業場向けの支援策として、実施マニュアルの整備や地域産業保健センターの機能強化が進められる予定とされています。


もっとも、実務上は「法的に何をすれば足りるのか」だけでなく、「自社の体制・規模でどのように運用するのか」を具体的に整理しておくことが重要です。

例えば、すでに50人以上の事業場でストレスチェックを実施している企業であれば、「委託している外部機関のサービス範囲を全事業場に広げられるか」「産業医との契約内容や面接体制を、小規模拠点にも適用できるか」といった観点で、契約や体制の見直しが論点になります。

一方、これまで努力義務として任意実施にとどめていた企業では、「質問票の形式」「実施頻度」「対象範囲(パート・有期社員を含めるか)」など、基本的な設計をあらためて確認しておく必要があります。


また、2026年4月は、「治療と仕事の両立支援」の努力義務化や、高年齢労働者の労災防止の努力義務化など、健康管理・安全衛生に関わるテーマが同時に動き始めたタイミングでもあります。

今後、ストレスチェックの義務化対象が全事業場に広がった際には、「メンタルヘルス不調の早期把握」という位置付けだけでなく、「治療と仕事の両立支援の入口としてどう活用するか」「高年齢者を含めた健康リスクの把握・フォローにどうつなげるか」といった、より総合的な視点で制度運用を検討することが求められるようになります。


現時点では、ストレスチェック義務化拡大の具体的な施行日は公表されていませんが、「公布から3年以内」という法令上の枠組みを踏まえると、2026年度から2027年度にかけてのいずれかの時期に施行される可能性が高いと見込まれます。

そのため、人事・労務担当者としては、最新の厚生労働省資料や産業保健関連の案内を定期的に確認しつつ、「全社で統一した実施方法にするのか」「本社と拠点で運用を分けるのか」「委託・自社実施の組み合わせをどうするか」といった基本方針だけでも、早めに社内で共有しておくことが有用です。

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