秋~冬に向けて増える「クマ出没」、私たちが覚えておくべきこと
- Takashi Fukunaga
- 11月10日
- 読了時間: 2分
最近、全国で「クマの出没」「人里近くでの遭遇」が例年より多いという調査結果が出ています。
例えば、今年の ツキノワグマ の出没件数は、過去最多を記録した年の 1.5 倍というデータもあり、東京都日の出町ではごみ処理施設付近の林で目撃されたという報道もありました。
このような背景には、いくつかの要因が重なっています。
まず一つに、クマの分布域の拡大と個体数の回復があります。
社会の高齢化・過疎化で里山が手入れされにくくなり、人の手が入らない場所が増えることでクマの居住環境が広がってきているという話もあります。
また、秋の主食となるドングリ類の凶作も深刻です。
ブナやミズナラの実りが少ない年には、クマは食物を求めて活動域を広げ、人の生活圏にまで出てくることがあります。
気候変動による変化も指摘されており、単純な自然のサイクルとは違った「人とクマの距離」が近づいてきているといえます。
では、私たちはどのように備えるべきでしょうか。
まず、出没情報をこまめに確認することが大切です。
市町村や都道府県が発表するクマの目撃・出没マップに目を通し、自分の住む地域や徒歩・ジョギングで通る道でクマが出たことがあるかを知ることから始めましょう。
次に、クマに遭遇した際の基本対応を知っておくことです。
音で気づかせる(鈴を鳴らす、話しながら歩く)・においや食べ物を刺激しない・もし出会ったら落ち着いて後退する、などが挙げられます。
最近では、住宅地や市街地近くでも出没が報告されているため、散歩や犬の散歩など日常的な活動でも油断できません。
さらに、自治体や地域ではクマ対策として電気柵の設置、廃棄物管理の強化、クマとのすれ違いを減らすための環境整備が進められています。
これらは企業・個人問わず、地域全体で取り組むべき課題です。
特に、クマの活動が活発になるこれからの季節、地域の見回りや住民の連絡体制を整えておくことが望まれます。
このように、クマとの関わりが山間部だけの話ではなくなってきています。
今後も出没が増える可能性を踏まえて、私たち一人ひとりが「安心して暮らせる地域づくり」の視点を持っておくことが必要です。
日常のちょっとした準備が、クマ被害を未然に防ぐ鍵となります。

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