2026年度の年金改定で何が変わる?基礎年金1.9%、厚生年金2.0%の違いをやさしく整理。
- Takashi Fukunaga
- 2 日前
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2026年度の年金額は、前年度から引き上げられます。
改定率は、基礎年金が1.9%、厚生年金の報酬比例部分が2.0%です。
同じ年金なのに伸び率に差があるため、少し分かりにくく感じる方も多いかもしれません。
今回の改定でまず押さえたいのは、年金額の見直しが一律ではないという点です。
厚生労働省は、2026年度の年金額について、名目手取り賃金変動率2.1%を使って改定するとしています。
そのうえで、マクロ経済スライドによる調整が、基礎年金ではマイナス0.2%、厚生年金の報酬比例部分ではマイナス0.1%となるため、最終的に基礎年金は1.9%、厚生年金は2.0%の引上げになります。
では、なぜ厚生年金のほうが少し高い2.0%になるのでしょうか。
これは、2025年の年金制度改正により、次の財政検証の翌年度まで、厚生年金の報酬比例部分についてはマクロ経済スライドの調整率を3分の1に緩やかにする扱いになったためです。
その結果、同じ年度改定でも、基礎年金と厚生年金の報酬比例部分で0.1ポイントの差が出ています。
実際の金額も見てみます。
老齢基礎年金の満額は、2025年度の月額69,308円から、2026年度は70,608円になります。
また、いわゆる標準的な年金額は、2025年度の232,784円から、2026年度は237,279円になります。
ここでいう「標準的な年金額」は、厚生年金だけの額ではなく、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む金額です。
前提となるモデルは、男性の平均的な収入として、平均標準報酬の賞与込み月額換算45.5万円で40年間就業したケースです。
数字だけを見ると増額ですが、生活実感はそれほど軽くないかもしれません。
厚生労働省の資料では、2025年の物価変動率は3.2%、2026年度の年金改定率は基礎年金で1.9%、厚生年金の報酬比例部分で2.0%です。
そのため、物価の伸びに年金の伸びが追いつかず、実質的にはおおむね1.2〜1.3ポイントの目減り感があるといえます。
一方で、働きながら年金を受け取る方にとっては、明るい見直しもあります。
在職老齢年金の支給停止調整額は、2025年度の51万円から、2026年度は65万円に引き上げられます。
厚生労働省も、2026年4月から65万円になると案内しています。
これにより、賃金と老齢厚生年金の合計がこれまでより高くても、年金が減額されにくくなります。
今回の改定は、単純に「増えたから安心」と言い切れるものではありません。
物価高の中では、年金額が上がっても、家計のゆとりにつながるとは限らないからです。
ただ、基礎年金と厚生年金で改定率が分かれた背景や、在職老齢年金の見直しまで含めて見ると、いまの制度がどこを守ろうとしているのかが少し見えやすくなります。
年金の話は難しく感じやすいですが、今回の数字をきっかけに、自分の受給見込みや働き方を見直してみるのは大切です。
「何%上がったか」だけでなく、「物価と比べてどうか」「働きながら受け取る場合にどう影響するか」まで見ておくと、制度の変化をより実感しやすくなります。

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