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介護の賃上げは「緊急対応」へ

  • Takashi Fukunaga
  • 2月24日
  • 読了時間: 2分

超高齢社会が進む中で、介護現場の人手不足は、もはや先送りができない段階に入っています。

他産業で賃上げの動きが強まるほど、介護との賃金差が広がりやすくなり、離職や人材流出の圧力が増していくからです。


こうした状況を受けて、政府の総合経済対策(2025年11月21日閣議決定)では、介護分野の処遇改善について、介護報酬改定の時期を待たずに「緊急的対応」として賃上げや職場環境改善の支援を行い、あわせて2026年度(令和8年度)の介護報酬改定で必要な対応を行う、という方向が示されています。


本来、介護報酬は一定のサイクルで見直されますが、今回の整理は、その時期を待っていては現場が持たない、という危機感が背景にあります。

狙いは、物価高や人材流動の中で疲弊している現場に、賃金面と働きやすさの両方から手当てをし、離職の連鎖を少しでも止めることです。


今回の柱になるのは、介護職員等の処遇改善を進める仕組みの拡充です。

賃上げに確実につなげることが重視されており、対象も介護職員に限らず、介護に従事する職員全体へ広げる考え方が示されています。

そして、現場の実感として重要なのは、制度が増額しても、それが給与として目に見える形で届かなければ意味が薄い、という点です。

施設・事業所側には、加算等で得た原資を、説明できる形で処遇改善に結びつけていく運用が求められます。


ただし、この賃上げの原資は、介護保険制度の中で賄われるという現実も避けられません。

介護保険の費用は、保険料と公費が基本となり、サービス利用時には利用者負担もあります。

処遇改善を厚くすれば、その分、保険料や公費の負担、そして利用者負担にも影響し得るという、厳しいバランスの上に制度が成り立っています。


それでも、介護という社会の屋台骨が崩れれば、困るのは特定の誰かではなく、私たち全員です。

家族の介護が必要になったとき、地域の事業所が回らなければ、選択肢そのものが消えていきます。

現場の担い手が確保できなければ、制度があってもサービスが届かない社会になってしまいます。


今回の「緊急的対応」は、介護を「やりがい」や「献身」だけに頼るのではなく、仕事として成立させるために賃金と環境の両面から支える、という方向をはっきり示したものです。

一時的な手当てで終わらせず、2026年度(令和8年度)の介護報酬改定も含めて、専門性に見合う対価が継続して支払われる仕組みを定着させられるかどうかが、これからの焦点になります。

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